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2012年2月5日日曜日

日光清風塾 第11回塾長講話会

歴史的大寒波が続いた中、台風の目のような日となった今日、清風塾第11回目の塾長講話会が予定通り開催された。原則として毎月第一日曜日におこなわれているが、一月は正月の流れで休講としたため、今回が今年最初の講話会となった。その意味をくみ取って、講話は新年の挨拶から始まった。

支援センターでの講話会

さて、今回は今議論されている「社会保障と税の一体化」に焦点を定め、講師がまず話をするのではなく、参加者から疑問点、議題を提出してもらい、それらをわかりやすくまとめて解説、議論するという形式がとられた。後で回収したアンケート用紙には、この形式に賛否両論があったが、個人的には、こういう形式をとって議論するのも良いと思った。ただ聴くだけより、参加型の講話会として貴重な試みだったと思う。丁度、昨日、総理が慶応大学でこの問題をとりあげて学生に解説したことがマスコミで報道されていたが、日光の支援センターが日光版ミニ慶応大学化した雰囲気で、何だか、学生時代に戻って問題に取り組んだ印象が得られた。


提出された議題は写真のように、かなり理解するのに複雑なものだったが、要点を得て準備された資料をプロジェクターで画像にしての解説は、わかりやすかったのではないだろうか。
①国債債務残高の問題
②消費税増税の問題
③歳出削減
④将来の日本の人口の展望
⑤女性、非正規労働者の社会保障、年金の安定化
⑥ノルウェーの場合、高い消費税(強い反対を押し切って政府与  野党が国家を救済するためと訴えて20%を決定したいきさつと、今や更に25%になっている)にもかかわらず、国民は納得しているという現状

こういった議論をする上でポイントとなる数字を把握しておくことが重要であることを再確認。日本がかかえる借金が1000兆円、GDPがその半分の500兆円、国家予算が90兆円というのがまずポイント。国家予算の中に占める社会保障費は20%で、先進国の中ではまだ17位ということ。政府は最低限の保障を守るために、増税は必須ということを言っている。消費税増税ではなく所得税の累進課税を改正すべきという意見もあるが、今の高所得者の上限40%をたとえ倍の80%にあげても、計算上3兆円弱にしかならない。消費税を1%上げた場合、2.5兆円税増収となる。(5%上げると12.5兆円増収)。それでも将来的には更なる増税が必要となるということ。2020年が税制改正した場合、検証される重要な時になるという。人口は右下がりになり、高齢者が増えて子供の数は少ないまま。経済活動は沈下。中国やインドは国内の需要が低いままに、安い製品をどんどん海外に輸出供給する。日本は中国のマーケットと化してきている。日本に投資を呼ぶどころか、日本の投資は中国に向かって外に出ていく状況である。

がんにおかされている日本は今、緊急処置は必要だが、国家の展望を描いて、若い人の人材育成が一番の課題であり、それも真の民主主義を育む中で教育制度の見直しを徹底すべきだろうというのが結論であった。今のイタリアのようになってはならない。

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