ページ

2018年3月6日火曜日

第64回日光清風塾講話会 「ノルウェーの老後社会に学ぼう」

2018年 第64回日光清風塾講話会「ノルウェーの老後社会に学ぼう」を議論しよう

 
冬季オリンピックの感想、スキージャンプ、テレマークとかバイヤスロンの競技はノルウェーが発祥地であることに言及。ノルウェーが断然強いことが納得できる。

 (今回の演題も含めた塾長の研究論文が掲載されている白鴎大学出版の文集を回覧。)フロアーから出された問題に触れながら話はわかりやすく進行。

ノルウェー人の税負担は世界一。個人の収入を100とすると日本人の税負担は38であり、ノルウェーは65。約倍である。

福祉政策が始まったのは1930年代の世界大恐慌により発生した失業者対策である。社会福祉の基本は雇用の確保。雇用を確保するため、政府が支出を増やし職場を作るとのケインズ経済学が起り、アメリカでもルーズベルトのニューディール政策が取られた。戦後もヨーロッパ諸国は福祉政策を継続し、イギリスでは「ゆりかごから墓場まで」と言われた時代があった。今はこの言葉は消滅。多くの欧米諸国では政府の財政が苦しくなったからである。しかし、これを現在も継続しているのが北欧である。1970年代に雇用を確実にして高い税負担を確保し、今日までやりぬいてきた。福祉政策では自治体の女性の雇用を確保。消費税は26%と高いがそれだけノルウェー人は政府の福祉政策を信じているので貯金をしない。日本は老後が不安で政府に頼れないから個人が貯金をする。

ノルウェーの老人の様子。SANBO(結婚せずに同居)の紹介。法律上の婚姻と

は無関係に、良きパートナーを得て人生は最後まで元気にという意識が強い。Norway is the best place to grow old ! 生活の基礎が安定している。(finanncial security)交通システムが備えられていて自分で動ける。しかし、アルツハイマーなど病気をかかえ、まともな生活が出来なくなると人生をどういう風に生きるか。延命治療は望まない。終末医療は環境作りに税を使い、個人住宅に住まわせる。

老人ホームを地域に開放し、幼稚園と一緒にする。(日本でも例がある)

高齢者の自立という考えが強く、家族に世話になるということは考えていない。高齢者の問題は政府の問題として社会がケアする。ではどうやったら元気になれるか。

   税負担の増加→仕事が出来る環境作り。仕事は必ずしも収入と直結しない。自主的に活動。ノルウェーでは60%以上の人がボランティア活動に携わる。

   個人が自分を大切に、幸福な人生を育む社会づくり。社会性の維持。家に留まらず、外に出て動き、観光などして回る。友達づくりお重視。

日本には矛盾した考えがある。政府に頼ろうとしながら、政府を信用せず、個人的に貯金をする。個人重視のキリスト教社会と家族、集団重視の仏教、儒教社会の違いもあろうが、ノルウェーでは確立した情報公開システムと福祉制度の下で政府を信用し、高税率負担を受け入れると不安感が無く楽であろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿