世界中がうねるように歓喜と落胆で渦巻いたWorld Cupも日本時間で明日未明に決勝のキックオフとなる。我が侍Blueは、弱い日本代表だと言われ、当初は殆ど無視されんばかりに影が薄かったが、そういう時こそ何か起こると密かに期待していた私としては、この1カ月の心理体験は得難いものでした。野球やゴルフと違って、サッカーは瞬時にドラマが生まれる。そのスピード感とそれに反応する観客の純粋さがたまらない。負けると思われていた初戦の対カメルーン戦を制覇(6月14日)したことに端を発し、侍達は見事な試合運びを続けていった。対オランダ戦(6月19日)では、0-1というまさしく惜しい負け方をした。しかし、リーグ戦の最終戦となった対デンマーク戦(6月25日)では信じられないほどの力を発揮し、見事に3-1というスコアで快勝し、決勝トーナメントに進んだ時の日本列島の歓喜の波は沈下した日本を一挙に元気づけたほどであった。やはり勝負には勝たなくては称えられないという宿命がある。決勝トーナメントでの対パラグアイ戦では、無得点のまま延長戦に持ちこみ、PK合戦で不運な結果となった。ここで、敗者の民族性が問われるところだが、誰もキックを失敗したことを咎める人はいなかった筈である。勇気と元気と感動を与えてくれた侍達に皆が”ありがとう!”と叫んだ筈である。
ここで、更に感動したことがもう一つある。それは侍達が帰国し、一連の祝杯ムードの中で、彼らの代表数人が皇居に参上し、天皇皇后両陛下から慰労と励みのお言葉を賜った時のことである。岡田監督が侍達全員のサインの入ったユニホーム(?)を献上したところ、皇后陛下が一心に見つめられた後、”これは駒野選手のでしょ?”と一つのサインを探し当てられたという。これは、決勝トーナメントでの対パラグアイ戦でのPK合戦で、ゴールに失敗した当選手の物凄い心痛への思いやりであり、祈りの表現であったと思われてならない。失敗した者へのいたわりの祈りであり、それは日本人を象徴する祈りだと思う。
さて、明日未明は早起きしてのテレビ観戦である。スペイン対オランダの決勝戦である。4年に一度の世紀の感動を世界中が待っていると思うだけでもわくわくする。
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