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2018年6月17日日曜日

第65回日光清風塾塾長講話会

平成30年4月22日(日)
第65回講話会「中国から帰国して一帯一路を考える」
65回講話会要旨 「中国から帰国して一帯一路を考える」
          平成30(2018) 422()

 
先ず、3月中旬より約3週間、南京、上海、杭州の三か所で三か国語(中国語、英語、日本語)を使って講義しながら目にした中国の様子として、目覚ましい携帯電話社会の発展ぶりや経済活動が迅速であること等に触れた。また、本題に入る前に西洋の言葉を日本語に訳し出し、それがまた、中国語に影響を与えた明治時代の学者西周の話は面白かった。彼が訳し出した哲学用語の演繹法、帰納法という言葉が中国でも使われている。他方、学生からのいろいろな質問を受ける中で、彼らが中国の発展ぶりに大変自信を持っていることが伺えた。今の中国の勢いが察せられた。

本題に入って、中国は、今回自分が中国に滞在中に開かれた全人代会議で憲法が改正され、現政権の長期化路線が敷かれた。中国の今後の10年は歴史の大転換期となり、米を追い越すということになるだろう。中国のこの勢いに日本はどう付き合っていくべきかが大きな課題。「一帯一路」というニューシルクロード建設大プロジェクトに日本はどう対応していくのか。シルクロードを復活させ、アジアとヨーロッパを一つの経済圏として建設する構想に日本は協力の姿勢を示している。それは経済的に日本の国益となるからである。しかし、その開発を推し進めるために設立されたAIIBAsian Infrastructure Investment Bank、アジアインフラ投資銀行)にはアメリカ同様日本は加盟していない。AIIBには現在約130か国が加盟。一方、既存のADBというアジア開発銀行の加盟国は約65か国。中国もADBの加盟国であるが、日米が主導権を持つため、中国としてはAIIBを設立して主導権を握り、開発の先頭に立つという国策である。AIIBでは決済通貨として人民元が影響力を持つことが目標となる。ADBは銀行として厳しい案件審査を行うため、プロジェクトが迅速に進まないというマイナス点を逆手にとってAIIBでは迅速に案件が進められるというのが中国の狙いである。日本は経済活動促進のため、一帯一路構想には協力するが、資金面での協力は慎重である。日本の経済界ではプロジェクトの受注等が不利にならないよう加盟を希望している。しかしながら、この一帯一路のプロジェクトはまだ漠然としていて、何を協力するのか具体策が見えていない。

 中国の若者は経済拡大のためには平和が必要であり、戦争無なしで中国は最強の国になりたいと願っている。彼らにとって一帯一路構想は中国の大国化に自信を強める政策となっている。              

 




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