11月26日(金)偶然にも友人からチケットをいただいて地元の道の駅(ニコニコ本陣)で上映された映画を見ることが出来た。山田火砂子監督の「一粒の麦」。明治の男尊女卑の時代に波乱万丈に生きた女性解放運動の闘士、荻原吟子の生涯を描いた作品である。彼女は日本で初めて国家の認めた女医第一号となった人。山田火砂子女史ご自身が、映画の始まる前に檀上に立って挨拶されたが、彼女の映画作りへの熱情が伺えた。社会の負の部分に目を向けて生きることの意味を追求した映画を創作し続けて今や89歳というご高齢であることは驚きであった。「一粒の麦」は明治い時代に女性解放に挑んだ女性勇士をモデルにしたものである。次は三浦綾子原作の「われ弱ければーー八嶋楫子伝」に基づいて女性教育の先駆けとなった八嶋楫子の生涯をを製作中とのことであった。映画自体もドキュメンタリー風で説得力があり、胸を打たれる内容であったが、紹介のあった山田火砂子女史の著作を読んで、彼女自身が波乱万丈の人生を送ってきた人であり、心の強い、逸材の女性であることを知った。「トマトが咲く」という華奢な本であるが、内容はとてつもなく重厚である。映画「はだしのゲン」「裸の大将放浪記」「太陽の詩」「春男の翔んだ空」など話題作を生み出してきた著者のことばとして次の一節を引用しておく。・・この本は二人の娘みきとゆうを育てながら現代ぷろのプロデューサーとして29年間の体験をまとめたものです。子供達は時に私をおおいにあわてさせ、ある時は感動をあたえてくれる素晴らしい天使たちでした。・・・これだけを読むとさほどの困難を感じないが、精神薄弱の障害児を養育しながらの葛藤は想像を絶する。苦しみ嘆き闘いながらも貫き通した先に得たものは宝の天使。著者が望んでおられるように、私も家族や友人にこの本を紹介したいと思っている。
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