森安監督は現役の時、カタールでのアジア予選の最終試合で日本がイランに逆転負けしてWCへの出場を逃し、有名な言葉「ドーハの悲劇」が頭の中に秘められていたそうだ。悲劇が歓喜に代わることを夢見て、26人のプレイヤー(19人は初出場、経験者は7人)を引き連れてカタールに。日本全土が熱狂的なサッカー聖地にかわったような、とにかく、コロナを吹き飛ばす勢いの声援の怒涛が押し寄せた2週間であった。
一次リーグ戦では初戦相手が強豪ドイツ。2戦目はランキングが日本(24位)より下のコスタリカ。そして最終戦がスペインであった。何と何と、日本は強豪ドイツを2-1で下し、コスタリカには予想外の結果で0-1、そして最後の対スペイン戦ではドイツと同じく2-1で勝ち、E組一位で決勝トーナメントに進んだのである。強豪のいるE組に組まれたことで内心皆、無理だとの予感がしていたに違いない。それが、初戦ドイツを倒したことで、日本全土はサッカー応援の大きな渦が巻き起こった。これは行けるかも。初出場の選手たちがベテラン先輩と並び、切磋琢磨してぐいぐい伸び伸びとやっている雰囲気があった。凄いというしかない。深夜、未明をものともせず、私はテレビに喰いつき、手を叩き、興奮しながら応援した。夫もしかり。サッカーは魔物。どんなこだわりも、躊躇もなく、純粋に歓喜の渦に巻き込まれて行く。知らない人とハグし、手に手を取り合って喜び合う。我が家でも傘寿を越えた二人が、若々しく、歓喜の声を叫んでハグした。冷静に思うと、サッカー競技は同じルールの下で、誰でも、どんな人でも、どんな環境でも、ボールを蹴りあい、頑張れば上へと登れる。世界中の若者が、可能性を秘めているのである。今や、ブラジルのネイマール、アルゼンチンのメッシ、ポルトガルのロナウドなど、名選手が億万長者になっている。サッカーは多様性社会の中でのポテンシャリティーのある夢を与えていることを改めて感じた。日本選手の未来は明るい。今回、一次リーグ戦で見せてくれた若い選手では三苫、伊藤、田中、鎌田、が目に留まった。安堂、浅野、前田、谷口、そしてキーパー権藤も凄い。コスタリカには何故か負けてしまったが、対スペイン戦で対ドイツ戦を再現してくれた。とにかく、ウキウキする寝不足を享受しながらの一次リーグであった。そして、決勝トーナメントに入って、対クロアチア戦も素晴らしい試合をしてくれた。五分五分の闘い。延長までして0-0のスコア。しかし、あのPK合戦は腑に落ちない。揃って球を拒まれてしまって負けてしまった。実力の差が、PKで出るとは。。。しかし、今となれば、侍ブルーがこれほどの歓喜をもたらしてくれたこと、そして、世界に通じる強さを見せてくれたことに感謝したい。本当にありがとう。
カタール2022のマスコット、La'eeb(超一流選手の意)はお顔が日本人的で実に可愛らしい。
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