「今年のニャンニャンの日(二月二十二日)に、我が家の猫が文筆活動を始めました。稀有な猫だとかねがね思っていましたが、ここまで思慮深いとは飼い主の私も驚きました。二か月後が彼女の二十歳の誕生日という時でした。何かけじめを考えたのでしょう。猫ながら立派なことをするなと私も励まされたものです。
でもうかつでした。彼女には計算があったのです。それをうっかり見逃した私は飼い主として失格でした。今となれば、彼女は私の手の届かない別の世界に身を隠して、私の行状を見守る決心をしたような気がしてなりません。私からすれば、彼女が書いたものは、そのまま彼女へのレクイエムとなってしまいました。すごい猫でした。
人間の世界をここまで観察した彼女の魂が愛おしくてなりません。皆様にもこの彼女の自分史を読んでいただければ嬉しい限りです。」
というメッセージを添えて家族、友人に送ろうと思います。この猫は我が家の財産となり、後世に語り継がれること間違いなしです。
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