4月21日 日光清風塾第22回講話会「北朝鮮問題」
昨日から季節は逆戻り。夕べは雪が降り今日は氷雨状態。そんな中での講話会のタイトルも震撼とさせられるものだった。
北朝鮮が今の状態のまま続けば国家は崩壊するだろうか。何故核開発にこだわるのか。これらの疑問を念頭にまずこれまでの北朝鮮の政治の展開が要約され現状に至った経緯とこれからの動向に対する塾長の見解が語られた。
核開発政策は1994年の金日成に始まり、金正日が国連での大問題(国連の決議にOKして核兵器は作らないと宣言しながら国際援助機関KEDOを成立させて軽水炉の開発協力を得ていたが実は濃縮ウラン開発も続けていることがわかり、結果的にNPTを脱退)を経て核開発を継承。2011年金正恩が更に引き継いでむしろ活発化させている。
北朝鮮の核実験が成功した今、国連から制裁を受け、それへの挑発行為が深刻化している現状にあって、米国と中国の出方が大変微妙となっている。韓国は対話路線を模索するが、今までの北朝鮮の約束不履行から信用できない懸念がある。これが重要な点である。北朝鮮のねらいは①国内体制の強化を図り、②核を保有しながら平和条約を結ぶことである。安定化して朝鮮半島の統一をねらっている。核を保有しない韓国は北朝鮮にとって人質とも言えるだろう。北朝鮮の挑発により外国投資が引き上げる傾向にあり、韓国経済が悪化していることと、円安がそれに追い風となって韓国の経済は下降してきている。韓国が平和と安定を求めて対話路線を取ろうとしている理由がそこにある。
北朝鮮の崩壊を招くものは①内部からの崩壊(ex.ルーマニア)②金正恩の計算違いで核戦争を始めた場合。双方とも、現状では起きそうにない。北朝鮮はアジア全体の平和と安定を模索してこそ、自国が存続出来ることを認識すべきである。北朝鮮問題は米を弱体化させ、中国を強化することになりかねない。1994年の国連での出来事で米は断固とした措置をとるべきであった。当面、周辺国が忍耐強く対応するしかない。
塾長の講話の後、この緊迫感のある中で韓国に行く機会を得た小林理事から今の韓国の空気を読んだ報告があった。韓国は失われた20年ではなく、元気な20年という印象。北のおどしにいちいち反応しない。臨戦態勢が通常化していて特別な緊迫感は無かった。
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