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2014年4月23日水曜日

第31回日光清風塾講話会 「これからの人づくり」 The 31st lecture-talk by the head of Seifujuku on "Let's discuss about how to raise and educate children for the future

平成26年4月20日(日)

参加者から挙げられたこれからの人づくりで大事なポイント
1.国家観、宗教観を持つこと
2.特に小学生に道徳教育と英語力をつけること。道徳教育に関  しては学校だけにまかせない。家庭、社会が一体となって。
3.母親がメディアに振り回され過ぎていないか。
4.塾と学校を一体化させることに疑問

○2年前の3月、第12回講話会で「世界の教育」を取り上げたこ  とに言及。
 先進国にはアメリカ型と北欧型の教育がある。先進国型の教育は自分で新しい分野を開発する能力を育て、自分自身で生きて行く力を養うようにすることであるが、PISAテストの結果から日本人の子供は読解力に欠けていることが判明。日本は戦後、全国レベルでの高い教育を目指したが、OECDで5年に1度実施されるPISAテストの結果が悪くなってきていることと、道徳教育がしっかりなされなかった現実から、ここにきて日本の教育が欠 けていたことは何かを見直すべく教育改革の気運が深まってきている。


○足尾の中学校で使われた道徳教育の教科書の紹介。活躍した 先人達の話が紹介されている だけであるが、そこには極め付け れば「存在とは何か」ということを考えさせるメッセージが満載 されている。つまり考えることが大事というメッセージを中学生に伝えたいのだろう。素晴らしい本 である。

○知識を教えることは高校まで。その先はテーマを出して考えさせる教育が大切ではないだろう   か。中国の大学での授業風景をDVDで紹介。英語での授業に真剣に向き合い、論文を書くこと  にもコピペイはやらない。考える力をつけさせる教育が大事。

○躾、道徳の裏付けは宗教観ではなかろうか。他国に比べて日本は弱い。どうして生まれてきたの かという疑問を持つことから一生懸命考えようとする。哲学する。それぞれの宗教の立場か ら答 えを出そうとする。解決できないがそういう場を持つべきであろう。宗教に触れながら生きている  ことの意味を考える。キリスト教などは慈善事業が生まれる。

○母親の役割は確かに子供と接する時間が長い母親に大きくのしかかっていたが、今では両親が 共同で役割を担う時代。家庭教育のあり方、親の道徳、宗教観、学問に取り組む姿勢など、課題 は沢山あるが、基本は本を沢山読ませることだろう。

○受験教育偏重になっている。教育法の再検討。教え方は面白くあるんべき。

○地域の発展と人づくり。投資を呼び込むにしても基本は人である。先進国型の社会で活躍できる 人づくりが基本となる。日光市は農業分野も含めて、外国人を迎える態勢を作り、実践に入って  いくべきだと思う。山梨県の例を紹介。県民一体となって外国人を迎えようと懸命だ。社会発展の 基礎は人づくり。

◎参加者の一人、21歳のデンマーク人ジョニー君の15分のプレ ゼンが飛び入りで行われた。子供の教育に関して、彼の体験か らくる素晴らしいメッセージをここに紹介する。

○両親の中には子供をどう育てたら良いか分からない人もいる。 子供は友達がいて、学校があって、情報がある環境の中で育っ ていく。しかし、その中で成長するにつれて悩みが出てくる。自分 自身もアジア人(彼はヴェトナム人の子孫)の子として差別感を  持ったりして決して良い子ではなかった。父親が厳しく怖い存在 であった。母親はやさしかったが、所詮夫婦である。両親が怖か った。そこで父親がテコンドーを通じて自分を鍛え始めた。それは厳しいもので、何度も逃げ出そうと思ったが我慢してこらえるトレーニングが16年続いた。ある日、父親と真剣勝負となった。結果は父親を倒して自分が勝利した。この時、床に倒れた父親が笑顔を見せてくれたことが、自分が生まれ変わる転機となった。自分はもう子供ではない。1人でこの世に立ち向けるという自信が生まれたのである。

○自分には15歳の妹がいる。今、母親と口論、衝突が絶えず、むしろ自分が相談相手になってい る。母親は説教一辺倒であるが、自分はそうなるためには今、これをどう乗り切るかに視点を向 けさせるようにしている。

○高校卒業前の2年間、10人ほどの問題児を指導した経験がある。彼等は心身ともに弱く、やる 気がない。彼等をこの世に生きて行くための独立心をどのように鍛え上げていくかテコンドーを通 してトレーニングをやった。容赦ないトレーニングで怪我が絶えない。ある親は怪我をさせるため に預けたのではないと怒り、子供を引き戻したこともある。強くなりたいと思うなら続けるというディ シプリンを持たせ、弱音を吐くのではなく、自分の中で我慢すること。体のトレーニングだけではな く、良く話し、子供達のホームワークもみてやった。親たちは働くことに時間をとり、子供とのコミュ ニケーションが無い、自分は彼等のガイダーであり、お兄さんであり、トレーナーであった。

○要は、人生はやさしいものではない。人生には苦痛や困難が一杯ある。それに立ち向かい、乗  り切ることが出来るためには心身の厳しいトレーニングが必要である。トレーニングを積んだ暁に はやる気と夢が湧く。自分には何が出来るかという事を考えるようになる。次世代を支えて行く前 向きで創造性のある教育が必要である。


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