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2016年8月21日日曜日

第52回 日光清風塾講話会「南米と日本」

第52回 日光清風塾講話会「南米と日本」8月21日(日)

全国高校野球の最終日、栃木代表の作新学院の決勝戦のタイミングと重なり、講話会に足を運ぶ人がいなくなるのではと心配でしたが、少人数ながらも関心のある方々のご参加を得て、ホット一息。アスリート達の熱い戦いに熱狂したオリンピック開催地に焦点を充て、日本の南米との関係を整理して考える良い機会となりました。

南米と日本との関係の歴史的背景を知り、南米に日本が大きな影響力を及ぼしていることを改めて理解。15世紀末、スペイン、ポルトガル両国による地球分割活動が行われ、ローマ法王が地球の線引きをしたことが法的な始まりであり、当初は子午線を境に、西がスペイン、東がポルトガルということであったが、不公平なことから、その後調整が行われて、フィリピンを除いて日本を含むアジアの殆どがポルトガル領に。更に南米ではブラジルがポルトガル領に。ナポレオン戦争がまず世界史を大転換させた。続いて第一、第二大戦で植民地経営能力を失うとアメリカが介入し中南米をヨーロッパから離脱させてアメリカが守る体制になり、アメリカの影響下で独立していく。今では、中南米はアメリカから逃れようとしている。
16世紀になり、アジア人が労働力として南米に連れて行かれた。日本は北海道開拓に力を注いだ榎本武揚が南米移民政策をかかげ、ブラジル、ペルーを主に日本人を送った。南米の日系人はその後勤勉が功を奏して、政界、経済界、芸能文化の面でも多くの有力者、指導者が輩出され活躍している。日本の文化を守りながら(日本語を維持)土地に融合している。日系人が190万人いると言われる。一方、アメリカの日系人は、日本人という意識が薄れ(日本語を話さない)、アメリカ人化している。
ブラジルと言えば、セラード開発プロジェクトとして日本政府(JICA)が援助した緑地化活動がある。ブラジリア周辺の乾燥地帯に大豆プランテーションを成功させ、豆腐製造で有名となっている。完全に農業地帯化に成功している。日本の影響が非常に強い所である。
現下の最大の問題は貧富の格差。スポーツを通して貧困から抜け出ようとしている人達が多いことが、オリンピックを見ていてもわかる。


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