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2018年11月22日木曜日

第70回日光清風塾講話会「米中貿易戦争の中の中国で講義して」 要旨 平成30年10月28日

第70回講話会「米中貿易戦争の中の中国で講義して」平成30年10月28日(日)

中国で三つの大学で講演をして最近帰国した。特に南京大学では米中貿易戦争について講演した。その講演では1980年代の日米貿易摩擦の際、日本がどのような対応策を取ったのかの部分が学生達の関心をひいた。当時日本は大きな対米貿易黒字を続け、これを改善しなければアメリカは輸入制限等の保護貿易政策に走り、自由貿易体制が損なわれてしまう恐れがあった。これを回避するため、先ず1985年に当時の五大国(米、英、仏、西独、日)がニューヨークのプラザホテルに集まり、ドル安(アメリカの輸入増)を導くために為替市場に協調介入することに合意した。その結果、日本円は2年間で40%も為替レートが切り上げられた。これだけでも不十分で、日本は対米自動車輸出を抑える自主規制措置をとった。この交渉に私も参加した。
これに対して、中国の学生達は、貿易戦争にこのような対応があったという事は初めて知った、と言っていたが、中国が中米貿易摩擦にどう対応すべきかについての論は余り行われていないように見受けられた。
私は、さらに、自由貿易体制は当然のこととして存在している訳ではなく、すべての国がそのために努力しなければならない、中国としても、対米貿易黒字を減らすこと、また知的財産権保護の施策を強化する等の努力が必要だと思うと述べておいた。
中国でニュースを見ていても、中米貿易戦争が最大の関心事である。このような状況で安倍首相の中国訪問もあり、日本との協調に対する期待感が強まりつつあると感じた。









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