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2021年7月26日月曜日

Tokyo2020開会式に寄せて(7月23日)

 Tokyo2020が開幕されました。開会式はとことん、コロナ禍に配慮したモデストな演出だったというのが第一印象。1964年の東京大会に発案されたという競技ピトグラムを、今回は二次元から三次元に移る最先端の映像テクニックを駆使したその凄さと、アナログで行くパントマイムのギャップは面白く、文句無しに楽しめました。箱を並べたエンブレムが宙に上がってドローンに変わり、地球🌏になって連帯のコンセプトを創り出した映像も素晴らしかった。これぞI Tの時代を象徴し、日本がその優れた知恵と技術を表現し得たことが誇りに思えた瞬間でした。カザフスタンの女性のドレスにfinal fantasyのロゴがデザインされていたそうで、選手入場の音楽がドラゴンクエストからのもので、それにマッチしていたことが 瞬時にSNSで評判になっている由。このゲームは一昔前に息子が夢中でやっていた記憶はあるものの、final fantasyだったとは!

開会式直前にいろいろ問題が露出したことで、演出がどうなるか、みんなが不安であった筈。しかし、蓋を開けてみて、それは払拭されたのではないでしょうか。後は399種目がどう軌跡を作っていくかでしょう。始まったからには、最後のゴールまで無事に辿り着き、スポーツを通して世界が一体化すること、平和の連帯感を生み出すことを祈りたいと思います。

 

2021年7月20日火曜日

東京都に第四回目の緊急事態宣言(7月12日~8月22日)下での一寸スリリングな決断

 昨年はコロナ禍で断念せざるを得なかった孫No4(小3)のピアノ発表会に今年は夫共々出かけてきた。場所は我々の足場がある多摩に近い橋本。日光に移住する前は多摩が我々の生活空間であった。その当時は橋本経由で新横浜に行き、新幹線で大阪の実家に良く行ったものである。その頃の橋本はまだ高層ビルも無く、田舎の風景に満ちていたが、今回橋本のmeweという8Fビルの最上階の多目的ホールが発表会の場所で余りの立派なホールでびっくりした。橋本が随分開発されていて、正直驚いた。多摩センターを追い越した印象を持った。

ともあれ、二日がかりで、指導の先生方が分担して8部に区分されていた。孫は二日目の第3部で24名のお友達が演奏した。3歳くらいの幼い子から、社会人までいて、曲のレベルが素人にもわかるほど変わって行くのが面白かった。孫は9歳になったところで、随分上達したものだ。まだ、自分で、どんどん弾いて、楽しむというところには行っていないようだが、それでも続けていけば、彼女の母親同様に、音楽を楽しめるという最高の趣味を得ることになる筈である。頑張って続けて欲しい。彼女は並外れて集中力がある。物語を創作する時、絵を描くときのあの目力は圧倒される。やりたいと思う事には何時間でも食いついていくあの姿は周りの者が恐れるほどである。やがて、ピアノが彼女の視野に入ってくることは無いかも知れないが、今は、習い事の一つとして、続けている段階である。どうなるか楽しみでもある。





2021年7月9日金曜日

第四回目の緊急事態宣言下での東京オリンピックの開催

 昨年1月より日本でも騒がれ始めたCOVID19の感染がここまで長引くとは誰も想像しなかった。2020年3月13日に特別措置法が成立して、第一回目の緊急事態宣言が4月7日に発出された。5月25日解除。第二回目が2021年1月8日に発出され3月21日まで続く。更に第三回目が4月25日から始まって、延期を経て5月31日に解除された。 発出、解除を繰り返すこと三度。東京オリンピックを開催するか、中止するか、IOCは様子見をする。ワクチン接種頼りの日本政府の決断も遅い。しかし、ウイルスは容赦ない。変異型ウイルスは変容してイギリス型が加わり、今や感染力の強いインド型に発展して、感染者数が増加し始め、ついに第四回目の緊急事態宣言が7月12日に発出されることになった。期限は8月22日までという。7月23日には東京オリンピックの開会式が行われる。緊急事態宣言下でのオリンピック開催となる。最初から東京オリンピックは決行すると決めていた政府は、開催の形をどうするかで困窮。人数を制限して有観客とするか、無観客とするか。結局、五者会談で東京、埼玉、千葉、神奈川の全会場は無観客ということが昨日決定された。

 最悪の形になった。映像を通して競技の成り行きを観戦するだけでは、本当に東京で開催する意味は全く見えない。ここで、私達夫婦のメールでのやりとりを記述しておくことにした。

夫のメッセージ 

東京オリンピックから世界へのメッセージ

今週水曜日に中国の大学生約100人向けにオンラインでの講演を行った。東京オリンピックについて話して欲しいとのことだった。来年の北京での冬季オリンピックもあって、中国での関心は高い。学生達からは、開会式はどのようにやるのか、とか東京オリンピックはこれまでのオリンピックとどのように違ったものになるのか、とか高い期待が示される一方、ある種の疑問も提起された。日本ではいまだウィルス感染が深刻なのにオリンピックを開催する日本の狙いは何なのか。これは日本がどのような国威発揚を狙っているのか、ともとれる質問であるが、私は「今や世界中が未曽有のウィルス感染禍にある中で、平和の祭典であるオリンピックをしっかりと開催して、世界に勇気を与えることが日本の狙いです」と答えた。

  ところが、その翌日、東京には再度、緊急事態宣言が発令されることになり、開会式も無観客で執り行われることになってしまった。このようなオリンピックで、どのようにして世界に勇気を与えることが出来るのであろうか。このようになってしまった原因の一つは他の先進国に比べても我が国ではワクチン接種が進んでいないことである。他の先進国では多くの観客を入れたスポーツイヴェントが開催されている。ワクチンの他にも、国内の危機対応の緩さ、行政能力の不足等真剣に見直されねばならない問題は多い。

  しかしこれらは時間を要する問題である。ともかく目前の課題は、東京オリンピックから世界に発出されるメッセージである。外国人観客だけでなく日本人観客もいない興奮のない開会式からどのような勇気を与えるのか。頼れるのは映像のみである。私の中国での教え子の一人はオリンピック放送機構に採用されて来週日本に来る。是非頑張って欲しい。実況放送では、選手達の戦いだけでなく、選手たちの達成感と連帯感が伝わるようにしてほしい。また、あらゆる方法を駆使して人類社会の平和の祭典であること、平和の大切さが世界に強いメッセージとして伝わる映像作りをして欲しい。これがまた、古代ギリシャの体育祭の狙いであった。

私からのメッセージ

 観客の響めきや感動を乗せないで、競技の場面だけが放送、映像のみを通して世界に発信されるだけでは平和の祭典の意義が伝わらない。競技の一部始終を流すだけではなく、アスリート達の息吹、感動、連帯感をいかに、伝えるかが問われる。競技場の雰囲気を如何に作り上げ、アスリート達の情熱、メッセージを如何に伝えるか、放送機構に携わる人達の知恵と技術を期待したいですね。 2021年7月9日夕


2021年7月3日土曜日

第90回日光清風塾講話会 2021年6月27日(日)

 

90回日光清風塾講話会 「海底地形と国家主権」講師 谷伸 東洋建設()顧問

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 今回は外部講師としてIHOUNESCO/IOC合同世界海底地形総図(GEBCO)指導委員会委員、文部科学省科学技術・学術審議会海洋開発分科会委員など現役職にある元海上保安庁職員である谷伸先生をお迎えしての講話会を開催。

 PPTを駆使しての淀みないお話は、内容がこれまで考えたことも無かった新鮮な世界を対象としたものであり、海底のダイナミックさを知る機会を与えるものだった。陸の富士山は3776mだが海底には9000mの山脈がある話は驚異的であった。その山脈の重力、引力が水深調査にかかわること、長い地球の歴史は火山爆発により、温暖期と寒冷期が繰り返されてきたこと、今の温暖化が強くなると、陸は消滅する方向に向かうことなど、地質学専門家としてのお話は興味深かった。

海ってどんな所?から始まり、その豊富な資源、エネルギー活用、水の動きと気候、天候の関係、生命と生態系、食物連鎖など有難い有益な海から地震、津波、高潮、沿岸浸食、高波など怖い海、又、海運が総輸出量の99.6%を占めている話、海底地形は国家主権と関係していること、科学の力で領土を広げる話、国連の海洋法条約による海の定義になると、専門用語が飛び出してくる。海の主権範囲の種類として、内水(領土とほぼ同じで東京湾、瀬戸内海、中禅寺湖等)、領海(領土ほど強くなく、無害であれば通行可能),群島水域(群島国家の領海)、接続水域(税関、出入り口、検疫)、排他的経済水域200カイリ(1カイリ=1.8㎞)、大陸棚(昔大陸だった所、海底資源の探査、開発権あり、延伸できる地形的、地質的要素)、国際海峡(領域内の穴)、深海底(国際深海底機構の管理下)、公海(海賊などの規制あり)、領海基線(通常の基線で海図に記載されえた低潮線)等々。我が国の海域の境界については7つの国と地域に接していること。(ロシア、北朝鮮、韓国、中国、台湾、フィリピン、北マリアナ連邦(米国))それぞれの国家は陸上だけではなく、海底で領土を拡大する国家戦略も考えられるお話であった。