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2021年7月3日土曜日

第90回日光清風塾講話会 2021年6月27日(日)

 

90回日光清風塾講話会 「海底地形と国家主権」講師 谷伸 東洋建設()顧問

 2021627

 今回は外部講師としてIHOUNESCO/IOC合同世界海底地形総図(GEBCO)指導委員会委員、文部科学省科学技術・学術審議会海洋開発分科会委員など現役職にある元海上保安庁職員である谷伸先生をお迎えしての講話会を開催。

 PPTを駆使しての淀みないお話は、内容がこれまで考えたことも無かった新鮮な世界を対象としたものであり、海底のダイナミックさを知る機会を与えるものだった。陸の富士山は3776mだが海底には9000mの山脈がある話は驚異的であった。その山脈の重力、引力が水深調査にかかわること、長い地球の歴史は火山爆発により、温暖期と寒冷期が繰り返されてきたこと、今の温暖化が強くなると、陸は消滅する方向に向かうことなど、地質学専門家としてのお話は興味深かった。

海ってどんな所?から始まり、その豊富な資源、エネルギー活用、水の動きと気候、天候の関係、生命と生態系、食物連鎖など有難い有益な海から地震、津波、高潮、沿岸浸食、高波など怖い海、又、海運が総輸出量の99.6%を占めている話、海底地形は国家主権と関係していること、科学の力で領土を広げる話、国連の海洋法条約による海の定義になると、専門用語が飛び出してくる。海の主権範囲の種類として、内水(領土とほぼ同じで東京湾、瀬戸内海、中禅寺湖等)、領海(領土ほど強くなく、無害であれば通行可能),群島水域(群島国家の領海)、接続水域(税関、出入り口、検疫)、排他的経済水域200カイリ(1カイリ=1.8㎞)、大陸棚(昔大陸だった所、海底資源の探査、開発権あり、延伸できる地形的、地質的要素)、国際海峡(領域内の穴)、深海底(国際深海底機構の管理下)、公海(海賊などの規制あり)、領海基線(通常の基線で海図に記載されえた低潮線)等々。我が国の海域の境界については7つの国と地域に接していること。(ロシア、北朝鮮、韓国、中国、台湾、フィリピン、北マリアナ連邦(米国))それぞれの国家は陸上だけではなく、海底で領土を拡大する国家戦略も考えられるお話であった。

 

 

 

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