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2011年3月8日火曜日

 昨年のクリスマスの時期に、宇都宮のホテルでチュニジアの駐日大使をゲストに迎えての昼食会に夫婦で招かれた時のことを書いたが、この3月始めの地方紙の雷鳴抄欄の記事を読んで驚いた。この中東における民主化運動の中で、同大使は辞任され、帰国された。母国で燃え盛るジャスミン革命に身を投じたいとの思いからだそうだ。「アラブは今新幹線だ。誰にも止められない」という大使は大きな志を持っておられる。あの時も、66歳とは思えないエネルギッシュな話をされていた。日本からの援助に大変感謝しているが、もっと指導者たる人間を送り込んで欲しい。農業開発、農村での男女共同参画など、同席されていた女性農業士に訴えておられたことを思い出す。その気になるぐらい、迫力もあった。同大使のご無事と大志が実現することを祈らずにはいられない。
 ここでもう一つ思い出されるのがリベリアからのJICA研修員のことである。もう20年近く前のことになるが、かつて私がJICA研修のコーディネーターをやり始めたころ、リベリアからの高級官僚の研修員を担当したことがある。彼は、国連の海洋法会議の部長までやっていた人だが、母国から環境問題に取り組むべく派遣されて約1週間の研修を日本で受けるべく訪れていた。その彼が、帰国して間もなく、内戦のため、祖国をやむを得ず離れ、ドイツの大学教授である友人の所に身を寄せていた。以後、10年間くらい、年末になるとドイツからの便りが届いていたが、その後どうされたか。私たちも夫の仕事の関係で2,3年ごとに居住地がかわる生活をしていたので、便りも自然消滅してしまった。
 地球は狭いようで広いし、広いようで狭い。そんな環境の中で、いろんな人がいろんな経験を重ね、いろんな人生を歩んでいることをつくづく感じてしまう。でも皆、平和な世界を築こうとしている筈だということを信じたい。

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