はっきりと淀みない辛口の熱弁を 披露される福岡先生 |
11月13日(日)、日光清風塾は白鷗大学の福岡政行教授をお招きして特別講演会を開催した。場所は東照宮研修センターである晃陽苑。丁度季節的にあの県道からの入口付近の紅葉が見どころであるということを計算に入れての場所選びであったが、まさに命中。絶好の秋日和に恵まれて、最高の日となることが予感された。塾長がお昼前に先生を、同伴のゼミ生3人ともどもお迎えし、まず霧降の紅葉を案内。昼は地元の美味しいお蕎麦を食して午後2時からの講演に臨んでいただいた。講演会の準備は事務方としてやることが沢山あったが、本番での理事や会員のメンバーの方々の協力には大助かりをした。蓋を開けて、何人ぐらい人が集まるかが一番不安となるところだが、来場者も一時間前ぐらいから集まり始め、会場の名前通りに陽光が射したことに感謝。これで後は先生のお話で盛り上がるだけである。
知名度が高く、人気のある先生のお話を生で聞くのは初めてであったが、なるほど話の流れ、組立が整理されていて歯切れ良く、淀みなく話されるその口調は流石である。ご自身の自己紹介を話の中に巧みに織り交ぜながら、聴衆の関心をどんどん引っ張っていかれる。声が大きく、よく通り、歯に衣着せぬはっきりした(かなり毒舌もある)物言いが聴衆を居眠りにさそうことなくぐいぐいと引っ張っていく。かつての人気報道キャスター久米宏氏とのニュースステーションでのご活躍から先生はマスコミで知名度をあげられたのだろう。松下幸之助に「現場主義の政治家を作って欲しい」という仕事を神奈川で託されたご経験もあり、その後、政治家を鋭く見つめられてきているのだろう。何人かの政治家、経済人、文化芸能人の名前を挙げながらの身近なお話は、聴衆の関心度を高める。阪神大震災の時の村山総理がとった態度と東日本大震災の時の管総理のそれとの比較は鋭く、印象に残る話であった。一国のリーダーたるものの姿勢と決断、責任感の話である。非常時の時、即刻、各大臣に最善の策をとるよう指示、官僚に知恵を出してもらうよう土下座をして頼み、最後の責任は自分が取るときっぱり言った村山総理の話は素晴らしい。それにひきかえ、原発事故の時の現職総理の姿勢は・・・。
日本の明日、世界の明日は暗いというお話であったが、それなら明るくするにはどうすれば良いかという疑問が残る。一国のリーダーの采配を待っていたら希望の明日は無い。
講演会の後、我が家に先生を囲んで十数人が集まり、バーベキューをやりながら余韻を楽しみ、寛ぐ時間を得ることが出来たのはありがたかった。身近に、一流の評論家先生に接してみると、やはり頭の回転が違う。とにかく、人の話に関心を寄せられる。そして、新しい情報をすぐインプットされていかれるのがよくわかる。快活で、話好きで、お酒もお好きのようである。偉い人にはよく、説教がましく一方的に話す人がありがちだが、先生のように人の話を聞いて、吸収し、面白くそれを再現出来たら楽しい。国の未来は暗くても、それぞれの人生は楽しいものに出来る筈である。
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