第73回講話会「児童虐待防止をノルウェーの施策で考えてみよう」H.31.2.24
最近野田市で起きた児童虐待死亡事件が社会問題となっているが15年前に栃木県小山市で3歳4歳の兄弟が父親の虐待により死亡した事件がある。この時、子供虐待防止オレンジリボン運動が発祥。しかし、余り問題化されてこなかった。

ノルウェーに学ぼうという動きは数年前からあった。「子供の虐待防止シンポジウム~ノルウェーの現状と日本のこれから~」が開催されている。ここで使用された絵本の紹介があった。「パパと怒り鬼~話してごらん、だれかに~作:グロー・ダーレ 絵:スヴァイン‣ニーフース、共訳:大島かおり、青木順子 ひさかたチャイルド出版」ドメスティックバイオレンスを子どもの視点からとらえたノルウェーの絵本で2010年広島国際アニメーションフェスティバルでグランプリを受賞したもの。父親には怒りの鬼が潜んでいて日増しに怖くなった子供が外の木々や鳥、風に勧められて王様にどうしたらよいかと尋ねる手紙を書く。王様はすぐ子供の所にやってきて、その父親と対話しお城に連れて行って一緒に暮らす。いろいろ対話をしていく中で父親は心を入れ替えて行く。子供は父親に会いたいときにはいつでもお城に行けることになる。つまり、王様は強い権利を持つオンブッドであり、父親を更生するという話である。更生出来ない場合は(父親が異常なケースとみなされる場合)子供を里親に預けたり、施設で普通の家庭の状態で第三者が何人かの同じ境遇の子供達と生活させる。社会の財産として守り育てる。
親が子供を育てる権利、日本ではまだ法律にある親の懲戒権、躾の意味、などなど、その解釈の仕方は見方によりいろいろニュアンスがあり難しい問題であるが原点は人間教育にある。ただ、現実に起こる子供の虐待防止の施策としてはまず専門家を備えたしっかりした機関を設置して子供から父親を離し、高い意識を持って更生する努力を続けることだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿