前回同様、まず参加者から質問点、疑問点を出してもらい、それらに触れつつ話が進められた。
①先生の教育②秋入学について③教育の経済負担
総論として二点があげられた。
○ 先進国は今や発展途上国の教育改革に猛スピードで追いかけられ
ている状況であること。
○ 教育は国際競争の時代に入って来ているということ。
アフリカのウガンダの例。IT技術の普及とITを駆使できる状況にあって、国に活力を与え、活性化してきている。旅の途中で出会ったユネスコの教育部長の話によると、先進国の教育は劣化してきている。北欧だけは別だと。インドの例。インド国内の工科大学のレベル上昇。入れない学生がアメリカのMITに行くという驚くべき状況になっている。中国の英語教育が凄い勢いで伸びて来ている。これは就職とも繋がっている。韓国も同じである。
先進国の教育は北欧型とアメリカ型に分類化出来る。
北欧型→時間をかけて基礎力をしっかりつけさせる。出来の悪い子をそのまま基礎教育を修了さ
せるのではなく、時間をかけてレベルに達するまで指導。従って切り捨てがない。
先生(指導者)の育成も時間をかけてやる。日本のように、大学に入って本腰で実際勉
強する時期に就職活動に走るようなことはない。進路を決めて真剣に勉強する。しっか
り勉強してきた先生は信頼される。先生を信頼した教育が徹底される。
アメリカ型→低学年ではやはり時間をかけてじっくり教育する。みんなが何となく大学進学するので
はない。高等教育の段階で直接大学に進む者、社会人になって改めて大学に入って
来る者、直接大学に入っても、途中で社会人になってまた戻ってくる者というように多
様である。 ただ、優秀な者は大学あたりから選抜されていき、格差が出てくる。少数
のエリート教育にお金をかける。優秀な研究が出来る環境が与えられる。研究成果
があると企業からの献金も集まってくる。そこから、また、新しい研究が出来る。とい
う循環になる。アメリカは研究分野でエリート層が厚く、その分、格差社会を産む結果
になっている。
日本はどうか?アメリカ寄り。しかし、政府の教育予算額が低いため、優れた研究が出来る環境と は言い難い。日本は、北欧型とアメリカ型双方の優れた点を導入して、もっと政府予算を増やすべきだろう。北欧の教育支出への財政支援は大きい。日本は少ない。先生の育成も時間をかけてやるべき。日本の先生は雑用が多いのか、忙しすぎて能力が十分開発されていない。
今や、教育は一国内の問題ではなく、国際競争の時代に入っている。日本はかつて、秋入学の導入を試みたことがあるが日本という国の成長が目標であったことから、国内の事情(会計年度、就職時期等々)に合わせる必要があるということで結実しなかった。しかし、そうはいっておれない状況になってきている。欧米の制度に足並みを合わせる必要が出てきている。日本の大学のレベルも下降して来ている。教授陣の劣化も否めない。国際社会の中で教育を考えていく時代となった。
教育は人材育成であり、経済を活性化するための力となるもの。スエーデンの例。人が元気だから産業が元気。人材育成は産業の源である。ここでも教育費として国家予算が大きく投入されている。古い産業を守るためではなく、これからの産業を育成する人材育成に投資するということである。
教育の原点は読書。国語力(読解力)が最優先。これは家庭教育の重要性を説くものである。北欧の子供達の国語力は非常に高く、かつて優秀だった日本は9位にランクを下げてきている。教育を学校だけにまかせるのではなく、根本的なところでの家庭の躾と指導が重要である。
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