アメリカの教育問題を分析した講演でした。ここにそのレジメを記録すること。講演の前の月山での昼食時に、既に教育についてトーマス博士と真剣な議論が。要は、文化を創造していく過程でいかに宗教、倫理観が重要な役割を担ってきたかの視点が、経済発展と共に無視されてきたことが今やいろいろな問題を引き起こしているということなのだろう。
平成26年8月17日」
於 とちぎ福祉プラザ
講師:トーマス・ウォード博士(Dr.Thomas
J. Ward)
米国コネチカット州ブリッジポート大学副学長
比較政治システム、経済政治分析者
世界60カ国以上で研究、講演
上海ランキング(世界大学学術ランキング)によるとアメリカは25位以上に19大学が入っている。ソルボンヌは45位。これによりフランスはシステムチェンジをして10年後にはトップ10を目指す。中国は上海ランキングを示すことで米国大学を超えることを目標としている。
一方で、中等教育では多くのno English speakingの移民をかかえている。これは少しずつ英語を習得し、2言語併用教育により将来のビジョンを持たせる。有利な仕事を習得し、より明るい未来が得られることを示すべき。多様性の教育。
○日本の教育から学ぶべき事。
2011年のTIMSテスト結果(数学、理科の国際テスト)からアメリカは日本の高スコアに驚いている。
○価値観の危機
経済発展と共に、伝統的な社会が失われて来ている。家庭と学校のパートナーシップの喪失。将来の為に教育を受けて社会人になるための準備をするという価値観の喪失。
規則、親、高齢者、妻、子供、正直であること、勤勉であることなどを敬う倫理観の喪失。
学校と社会のバランス関係の問題。
これは日本でも同じ問題。暴力事件が頻出。米の乱射事件、日本の池田小学校事件。
青少年の暴力、性的犯罪、ドラッグなどが青少年の学業意識を低下させている。
伝統的社会では宗教がベースにある。チェンジングポイントは技能と多元的なキリスト教に基づいた倫理観を唱えたホーレス・マン(1796-1859)から技能、民主主義的価値を中心とし、公立学校から宗教の除去を唱えたジョン・デューイ(1859-1952)への近代化。以後デューイと宗教家との争論があるが、1920年以降、キリスト教的宗教を離脱して忍耐、寛容と平等の思想が誕生。結果、less classical valueが生まれる。
○米国が日本から学ぶべき部分(この部分は重複している)
再確認:①全人格の教育②固定のカリキュラムと授業を研究し、米国の制度に適用する③教師の教育プログラムに取り組む④世界の経済的、政治的中心の移動を理解し、それに適用する。⑤より包括的な両親と学校制度の協力を構築。日本はアジアと西欧との懸け橋的役割。
○民主主義の中での文化の変化
行政府、立法府、司法、政党、利益団体など多くのファクターがある中で、マスコミの力が重要。社会の発展と教育の発展を認識することである。 以上
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