月日は流れ、時は滞ることなく流れて、2025年を迎えた。年の瀬の30日にMonaさんが来晃。正月には家族が集まるという習慣は次第に消えて来ている。我が家もついに老夫婦だけの迎春になるところであったが、子どもたちは其々に子供たちが受験戦争に入っているため、帰省しないことに。その代わり、留学生のMonaが一人正月を免れてやってきた。おかげで、若いエネルギーに助けられて、元日を元日らしく迎え、初詣も出来た。東照宮は入り込む余地がないくらいの人出で、今年は二荒神社だけにした。孫達の無事なる進学を祈願し、家族の健康と幸運を祈るという平凡な祈りになってしまったが、干支の蛇を意識して、はて?どう解釈すべきか、見た目は気味が悪く、怖いイメージしかなかった。ところが、誰かが、蛇の象徴は『しなやかさ』と言ったことが妙に気に入り、今年の生き方の目標にと思った矢先、日経の元日の新聞にサヘル・ローズさんのインタビューの記事を見つけて更に思いを強くした。以下がその内容。ぶれないように邁進したい。
サヘル・ローズさんの2025年元旦のインタビュー記事より(日経新聞)
2025年1月1日
折れぬ強さ、弱さの自覚から
しなやかに 今年の干支は蛇。(しなやかさは蛇の象徴だと誰かが言った!)
私の人生の強みは、自分の弱さを受け入れた事。私は決して弱者ではありませんが、みなさんと同じように弱さはあります。弱い自分を受け入れ、誰かの支えがあって今があると思えたから、強く、しなやかでいられるんです。しなやかさって、ひとりでに生まれるものではなく、相手を思いやる優しさから出てくると思います。
自分の価値観にかたくなになり、相手を変えようとすると、しなやかさは失われます。大切なのは、自分に普通があるように、人の数だけ生き方があり、普通があるということ。自分と違う価値観に出合った時に拒絶するのは簡単です。でもそうではなく、『こんな視点もあったのか。新たな気づきを得た』と思えば吸収することが出来ます。それが人生の枝葉となり、しなやかさになるはずです。
私にいとって、家は愛おしい母が待ってくれている場所です。血の繋がりは無くても、一つ屋根の下で家族として迎えられます。家って生きた痕跡であり、自分と共に年を重ねていきます。家を大事にする人は、自分も大事にしているのではないでしょうか。
人生は何が起きるかわかりません。自分の身に何があっても、帰る家さえあればどうにか生きていけます。母の為にも、帰る場所としての家を守り残していくことが私の願いです。
*1985年イラン生まれ。7歳までイランの児童養護施設で過ごし、8歳で養母とともに来日。高校生の時から芸能活動を始め、映画や舞台、俳優として活躍。また公私にわたる支援活動が評価され、2020年に米国で人権活動家賞を受賞