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2018年3月27日火曜日

平成30年3月の思い出


  平成303月の思い出


平成30年(2018)3月12日、夫は約3週間の予定で南京、上海へ発った。南京へは2010年9月を皮切りに殆ど毎年行っているが、大連、西安など他の都市へもその前に行っている。退官してから本格的に中国語の勉強を始めてようやく中国語で講義が出来るようになったと言っている。退官して14年になるが、東アジア地域が金融危機に陥った時以来、これから中国の重要性が増すことを考え、日中の交流に、特に若
 い学生との交流のために使命感のような思いすら持って中国語の勉強を続けている。
その情熱は時を経ても萎えることなく、今回も出かけて行った。YahooGoogle、ライン、FBのアクセスは不可能なので講義に必要な資料の検索はままならない。中国とはWeChat上でコミュニケーションを取っている。
 夫の不在のタイミングで先週は一週間ほど子供達の所を訪れた。長女が腸閉塞を患って退院してからまだ一か月ということもあり、彼女の所に手伝いのつもりで出かけたが、すっかり元気を回復して逆に春へと向かうこの時期に行楽に連れて行って貰ったりするはめになった。快気祝いと入院中の私の世話を慰労するために房総半島の館山にドライブして一泊しに出かけたのだが、これまたタイミング良く、桜が見頃をむかえ館山城の桜を満喫出来た。前日の夕方にはホテルの名にふさわしく夕陽を観賞するつもりだったが、これはタイミングを外してしまった。行楽先で彼女の誕生日を迎え祝うという旦那の心遣いもあった。
 彼女の所を基点にして、次女の所、引っ越ししたばかりの長男の所も訪問。長男は引っ越しして4日後からロスに出張中で嫁が5歳、3歳の子供を抱えて荷物の整理に奮闘中。

 子供達3人のそれぞれ2人づつの孫達は、年齢が11歳が2人、5歳が3人、3歳が1人と同じなので見ていて個性の違いが鮮明で面白い。みんな元気ではしゃぎ回っている様子が見られて大変楽しく有意義な時を過ごすことが出来た。  

 
更に、用賀トラストガーデンに入所してもうじき二年になる母方の叔母を、長女と次女の三人でやっとこのタイミングで陣中見舞いが出来た。96歳になる叔母は4前に叔父を亡くしているが脚が少し不自由なだけで2時間もお話が出来る程しっかりしている。近い将来の私自身の行く末がちらほら頭を掠めてくる。健康長寿で家族に囲まれてぽっこりというのが私の夢なのだが。。。

今回は前日の17日に長女が5歳の孫娘を連れて来晃. 翌日開催された大野紘平君(高校生最後のこのタイミングで手作りのソロコンサートを実現。音大に推薦入学)のピアノ演奏を聴きに一緒に益子へ。中古ながらまさに前日に取り換え入手したニッサンNoteで。座り心地が誠に良い。紘平君の益子ろうかん洞でのコンサートは大変楽しいものであった。特にベルディ―のリゴレットから作成したというリストの曲は彼のピアノ演奏の技と芸術性が光る素晴らしいものであった。又彼の双子の仲間(二人とも声楽専攻で芸大に合格)との協演は会場に笑いがころげる楽しい雰囲気を醸し出してくれた。コンサート終了後は友人の臼井芳美さん(今栃木県をときめかせている料理研究家)が提供されたスイーツをいただきながら演奏者、来場者と歓談出来たことも素晴らしい。温かいハートと若い希望とエネルギーが溢れるコンサートであった。


            そして、私達は真っすぐ千葉の蘇我に車を走らせたのだった。初めての道である上に高速出口を間違えたりして2時間のところ3時間半もかかってしまったが、車中でのおしゃべりもいいもの。それにしても孫娘のあの目力でじっと紘平君のピアノを聴いていた顔つきが忘れられない。彼女は前に一度彼のピアノを我が家で聴いている。それを思い出して前日にスケッチを描き、コンサート終了後に彼に贈呈するというおまけもあった。彼女にとっても一生貴重な思い出となることだろう。
        平成30326日早朝 慶子記

2018年3月6日火曜日

第64回日光清風塾講話会 「ノルウェーの老後社会に学ぼう」

2018年 第64回日光清風塾講話会「ノルウェーの老後社会に学ぼう」を議論しよう

 
冬季オリンピックの感想、スキージャンプ、テレマークとかバイヤスロンの競技はノルウェーが発祥地であることに言及。ノルウェーが断然強いことが納得できる。

 (今回の演題も含めた塾長の研究論文が掲載されている白鴎大学出版の文集を回覧。)フロアーから出された問題に触れながら話はわかりやすく進行。

ノルウェー人の税負担は世界一。個人の収入を100とすると日本人の税負担は38であり、ノルウェーは65。約倍である。

福祉政策が始まったのは1930年代の世界大恐慌により発生した失業者対策である。社会福祉の基本は雇用の確保。雇用を確保するため、政府が支出を増やし職場を作るとのケインズ経済学が起り、アメリカでもルーズベルトのニューディール政策が取られた。戦後もヨーロッパ諸国は福祉政策を継続し、イギリスでは「ゆりかごから墓場まで」と言われた時代があった。今はこの言葉は消滅。多くの欧米諸国では政府の財政が苦しくなったからである。しかし、これを現在も継続しているのが北欧である。1970年代に雇用を確実にして高い税負担を確保し、今日までやりぬいてきた。福祉政策では自治体の女性の雇用を確保。消費税は26%と高いがそれだけノルウェー人は政府の福祉政策を信じているので貯金をしない。日本は老後が不安で政府に頼れないから個人が貯金をする。

ノルウェーの老人の様子。SANBO(結婚せずに同居)の紹介。法律上の婚姻と

は無関係に、良きパートナーを得て人生は最後まで元気にという意識が強い。Norway is the best place to grow old ! 生活の基礎が安定している。(finanncial security)交通システムが備えられていて自分で動ける。しかし、アルツハイマーなど病気をかかえ、まともな生活が出来なくなると人生をどういう風に生きるか。延命治療は望まない。終末医療は環境作りに税を使い、個人住宅に住まわせる。

老人ホームを地域に開放し、幼稚園と一緒にする。(日本でも例がある)

高齢者の自立という考えが強く、家族に世話になるということは考えていない。高齢者の問題は政府の問題として社会がケアする。ではどうやったら元気になれるか。

   税負担の増加→仕事が出来る環境作り。仕事は必ずしも収入と直結しない。自主的に活動。ノルウェーでは60%以上の人がボランティア活動に携わる。

   個人が自分を大切に、幸福な人生を育む社会づくり。社会性の維持。家に留まらず、外に出て動き、観光などして回る。友達づくりお重視。

日本には矛盾した考えがある。政府に頼ろうとしながら、政府を信用せず、個人的に貯金をする。個人重視のキリスト教社会と家族、集団重視の仏教、儒教社会の違いもあろうが、ノルウェーでは確立した情報公開システムと福祉制度の下で政府を信用し、高税率負担を受け入れると不安感が無く楽であろう。