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2015年3月29日日曜日

第39回日光清風塾月例講話会 3月29日(日)

第39回日光清風塾月例講話会「老後をどうする?どう活きる?」 要旨
                         平成27年3月29日(日)

塾長が南京の大学にいて不在の間、日光清風塾では有志が交代で講師となって講話会は続行。今回はケアマネージャーでもある松尾由記理事が専門分野である老後の問題について巧みに分かり易く、パワーポイントを使いながら2時間熱弁をふるって下さいました。

まず介護の現場である「毎日クリスマス」の内容活動紹介がなされ、そこから見えてくる老後の問題をいろいろな側面から提起。具体的な問題を参加者に列挙してもらう作業を並行させながら、大義は≪介護が必要になった時、どういう風に暮らしたいか?≫に集約。行政にこれらの声を届けるために、どうしたいのか、何があったら幸せに暮らせるのか、自分のこともだが、その他、家族の事、近所の事等、意志表示が重要であることが説かれた。でなければ行政も地域も動かない。これからは近所地域でこれらの問題は独自に解決する方向に行くことになろう。

個々の問題を提起する前に、宇宙人として、人間として、個々の存在価値、存在理由を考えると先人達が残した名句が浮かぶ。人間は死ぬために生きているのではない。地上の旅人であり、早かれ遅かれ行先は同じ。何をやりたいのか。人を喜ばせる喜びを得る人生にしたい。どんな時代が来ようとも変わらぬ宝は万事の源となる志である。人生は出会いで決まる。信頼できる人に出会えるかどうかで人生の方向が決まる。仲間を増やし、共存して地域を活性化したい。
(日光清風塾が発足した時の原点を忘れてはならない・・とのご指摘も)

次世代を担う子供達の生活環境が問題。昔は家族の中で分担作業があった。家族の協力、苦楽、感動の共有があった。今は全部与えられる環境にあって、辛抱も思いやりも育たない。集中力無し、親と一緒の時間の欠如から親の苦労がわからない。すぐキレるなどなど。次世代の介護役になるであろう子供達の教育も課題である。


老後福祉の問題がいかに大きく深いものであるかを再認識させられるお話でした。老後を考えるより、この一瞬を活かす生き方を考えるべきと言うのは無謀だろうか。介護の問題は突然わが身にやって来るかも知れない。願わくば、介護が必要になっても喜びを分かち合い、感謝の気持ちが持てるような人間形成を目指したいものです。

毎日クリスマスは外国人の若い人達のホームステイを受け入れ、介護の仕事を手伝って貰うサービスを提供。今回デンマークからの女性が参加。今度私のEECCにも加わって貰うことに。

2015年3月27日金曜日

恒例の昼食会  An annual luncheon for spouses

3月26日()       同期夫人のランチャン

三寒四温の候、今週は四温から始まり、どうやらこのまま春に突入する気配が感じられます。東京では先週桜の開花宣言がされてこれから桜前線はどんどん北上していくことでしょう。日光の場合は来週あたりかも。

そんな中、今日は同期夫人の年一度のランチャンが東京、外苑前のAQUAVITという北欧料理店で開催されました。いろいろ孫の関係、介護の関係、地理的な関係もあって出席者は今回は9名。昨年は別のイベントに出かけて私は欠席したので今回は二年振りでしたが、二年の隔たりは全く無いくらい、皆さん毅然として忙しく都会の生活を送っている様子が伺えました。婦人会関係の組織でボランティアをしている人、歌舞伎や文楽に嵌って毎月観劇しているという人、東京マラソンやハワイマラソンに毎年参加して走っている人、それどころかトライヤスロンも続けているという人、これには私も脱帽です。みんな孫の話が多くなりました。先日益子さんからいただいた藤尾秀昭著の「人生の大則」を電車の中で読んだところ、絶対不変の真理は四つあるという。「人は必ず死ぬ」「自分の人生は自分しか生きられない」「人生は一回限りである」「この悠久の宇宙において自分と言う存在はたった一人しかいない」。この孫達の存在もしかり。いつか人生どう生きるかという難問に直面するであろうと思うと命の繋がりを感じ、愛おしくなります。

After having weather transition period between winter and spring,three cold days and four warm days alternatively, we are now heading for real spring. The cherry blossoms started blooming last week in Tokyo. We will see it most likely next week in Nikko.

We had a luncheon gathering for spouses of colleagues at a Nordic restaurant named Aquavit in Aoyama today. We only had 9 participants this time for private reasons such as care for grand-children and their spouses or geographical matter.
They looked all fine and seemed to enjoy their urban life by involving themselves in some activities of ladies associations or going to see Kabuki or Bunraku or doing sports like marathon, swimming, cycling etc. She even joins Tokyo marathon and Honolulu marathon. It's an overwhelming story. Well the most popular subject we talked over meal was about our grand-children.

2015年3月22日日曜日

家族合流 Family gathering

平成27年 3月21日~22日 

二人の娘家族が一台のワゴン車で来晃。大人3人、子供がそれぞれ2人、計7人で沢山のスキー、ソリーグッズに埋もれんばかりの寿司詰め状態で前日金曜日の夜遅く、11時過ぎに到着。孫達は半分寝た状態。そのまま寝室へ。孫達は普段朝6時には起き出すということで、我々も12時には就寝。

21日


 案の定6時に一人、二人と起き出して、賑やかな一日がスタート。おチビさん達の足並みを揃えるのは並大抵ではない。スキー目的で来晃しているので今日はスキーと決めているのだが 姉妹、従妹同士が一緒になると次々と予期せぬことが起きたりしてなかなか予定通りにはスタート出来ない。孫の雪靴が必要ということでお店に寄ったりして結局湯元スキー場にむかったのが11時頃。←一見仲良く遊んでいる様子だが別々のおもちゃで別々の世界を楽しんでいる。
暖かい天候に恵まれ、スキー場は、若い人、子連れの人、スキー教室参加者などで大賑わい。駐車場探しに一苦労。ともあれ、やる気満々で8歳同志の二人の孫息子達は早速、父親(長女の夫)にエスコートされてゲレンデへ。2歳同志の下の孫息子と孫娘は母親達と雪遊び。勧められるままに孫息子達を追うように私もリフトに向う。気温が高くて大助かり。血行の悪い指が痛まない。素手でもOKなぐらい。湯元のゲレンデは初めてだったが、リフトからゲレンデを眺める限り、傾斜は険しく無さそうでホットする。4回滑ったあたりで娘達がおチビさん達の雪遊びの世話を父親と交代して合流。母娘孫とスキーがまた出来て楽しい数時間をゲレンデで過ごすことが出来ました。
帰路、ヤシオの湯に寄ってリラックス。夜は2日早い長女の誕生パーティー。賑やかな夕餉。
  地元老舗で≪桜のミルバーナ≫と名のついた期間限定新商品のクリームチーズをゲット。仏教用語で涅槃という意味で最高のものということらしい。メッセージと蝋燭も貰って、長女は感激してくれました。下のおチビさん達が寝静まるとお兄ちゃん達はママのところに。存分に運動し、食事を済ませ、特別なデザートも終ると、お兄ちゃん達は母親の膝に安心感を持って突進した。疲れて、安心して身をゆだねる場所が必要なのだろう。ゲレンデで、「スキーのストックを水平に持って、脚には力を入れないですべると自然に滑れるよ」なんて冷静に説得力を持って指南してくれたあの8歳の男子だとはとても思えない幼さがある。思わず、みんなで笑顔に。   

22日
やはり6時に起き出すおチビさん。昨日の運動量はなんのその、新しい活動の一日がスタート。その内、8歳の星太君の忍者ぶりが庭で披露された。母親手作りの衣装をまとって、従妹と忍者ごっこ(?)というより真剣な闘いを見せてくれました。木刀のようなものは父親の母、つまりもう一人のバーバが、使わなくなった夫のゴルフバッグに入っていたゴルフクラブ用のサポーターの廃物利用。プラスチックなので大けがの心配は無いというものの、力が入ると子供は気持ちのコントロールが出来なくなるのでひやひやする。今回は無事に、二人とも汗びっしょりになって庭で存分に体を動かせて万々歳でした。闘いの最中に南京の夫からWeChatが入って彼らの動画を見て貰うことが出来ました。更に下の孫達とも文明の利器を使ってビデオお話が出来ました。


 
 



2015年3月19日木曜日

日光ユネスコ協会活動 One of the activities of Nikko UNESCO Association

3月18日(水)
日光ユネスコ協会は地元高校生との交流学習会というのを毎年実施。今日は日光明峰高校との交流会に出かけて来ました。昨年は日光の社寺が世界文化遺産に登録されて15周年を迎えた年。豊かな文化遺産と自然を持つ日光を誇りに、日光の文化を世界に発信する使命があることの認識を高校生と共有。ここ数年、空気汚染度をはかるモニタリング活動を彼らと一緒にやっているがもっと幅拾い活動につなげていくことに期待。
Some Nikko UNESCO Association members visited one of the local senior highs, Meiho high school, for an annual meeting of exchange study on Nikko world heritage site. We are trying to promote our activity involving young generation to expand in and out of Japan the greatness of Nikko with such rich culture and great nature .

2015年3月17日火曜日

いのちの役割  Duty in our life

今日の日光混声合唱で所見で歌い始めた歌には思わずドキリ。最初は子供を諭すような歌詞だなって思いながらひたすら先生の歌唱指導に集中していましたが、最後の方の歌詞がリアルなことに気付いて思わず思考が深みに入ってしまいました。

Today's new song introduced in our choir group tonight ended up with giving me a deep concern about my life. In the beginning the lyrics seemed to be something like instruction or direction for children's lifetime education, but in the end it turned real with an imagination of my very last moment.

○ 歌詞を紹介します。 水樹涼子作詞         Here are the lyrics.

1.誰にだって役割がある  
             Everybody is given his duty
  一人一人に役割がある  

       Individual is given a duty each
  それは生きること   

      It's to live through
  生きて生きてそして生き抜くこと 

             It's to live, to be through to the end
  けれど勝ち抜くことじゃない 

              It's not to win, though
  人を殺めず傷つけず   
      It's not to kill people, not to hurt people
  アア そして自分を生かし切ること 

             Ah, Ah,..It's to make himself alive  

2. ルルル...アアア...    

      Lu Lu Lu.. Ah Ah.... 
    誰にだって役割がある  

       Everybody is given his duty
    一人一人に役割がある  

      Individual is given a duty each
   それは生きること生きること   

          It's to live through
   与えられた命を守り抜くこと   

        It's to keep alive his life given
   やがて瞳を閉じる時     

        When it's time to close his eyes
   そっと命を手に載せて  

       His life is gently placed on his hand
   アアアア

            Ah Ah....
  ありがとうと返すような    
       So as to return it to the God with thanks
   ありがとうと返すような   

           So as to return it to the God with thanks
   そんな気持ちで生き抜くこと      

           To live through with such grateful thought
   一人一人のそれが役割            

           That's everybody's duty
   大事な大事な命の役割  

      That's everybody's very important duty.

2015年3月16日月曜日

孫孫の余暇活動 Grand-children's activity outside school

孫達の楽しい校外活動 
この週末は市川にいる次女のところへ孫No1(もうじき小三)のドラム演奏の応援にかけつけました。蘇我の長女家族も合流して孫No1,2,4,5が並んで大騒ぎ。ついでに孫No6の赤ちゃん(4か月)と彼のお姉ちゃんNo4(もうじき3歳)にも会ってきたかったのですが、息子のところは一家で風邪ひいてしまって生憎会えませんでした。No1君の演奏たいしたもの。妖怪ウオッチのゲラゲラポンを大乗りでやってのけて、もうバーバは感動しまくりました。彼の両親も参加。ママはボーカルで、パパもドラムで。5月には蘇我の孫No2(同じくもうじき小三の百名山50個は制覇済み)のピアノの発表会が。楽しみです。ばーばも負けじと頑張っていますよ。
No.1 grandson's drum performance

He was interviewed with his parents
Grand-children's enjoyable activity outside school
His cousin playing pingpong with his mother

No.4, No.5 playing house 
I went to our second daughter's place in Ichikawa to give a big cheer to our No.1 grandson(8 years old) who showed up on stage for his drum performance. Our No.2 grandson(as old as No.1) also came with his family altogether from Soga to support his cousin. We were able to share such a noisy but encouraging moment last weekend. His drumbeat was so well done. His mother also performed for him as a vocalist and his father played the drum independently. Whole his family were on stage except No.5 (2.5 years old). It was so exciting and we were all impressed with their wonderful musical performance involving all family members. I also wanted to visit our son's place nearby but unfortunately his family were all down due to a bad cold. I missed seeing his children, No.3 (going to be 3 years old next month) and No 6(4 months). I'm already looking forward next to No. 2's piano performance to be shown in May. This boy is the one who has already conquered 50 out of 100 prestigious mountains in Japan last November. As their grand-mother, I've got to be straight up forward.

2015年3月14日土曜日

三寒四温の時 It's time to have three steps backward and four steps forward

3月10日(火)



3月13日(金)


今朝の気温は又ぐーんと低くなって庭にはモグラが掘った穴に可愛い霜柱が。そしてその向こうには半月前に春の到来を暗示したクロッカスの花が寒そうに衣を固めていました。朝7時現在。
This morning's temperature got back so low again and I found in our back yard some small but adorable frosts in a few holes dug by moles last night. Then over these frosts, two crocuses which had been enjoying the arrival of spring since the end of February, were keeping their pedals folding up tight.

2015年3月7日土曜日

ニュージーランドからの若い訪問者 Two young ladies from NewZealand visiting Nikko

3月7日(土)


Kegon Falls not visible in the back

In front of Ryuzu Falls
They are trying to shot Kegon Falls
今日は次女のリクエストに応じて、娘不在状態で、娘のニュージーランドからのお友達二人を日光にお迎えし、奥日光→竜頭の滝→湯元→スノーシューチャレンジ→華厳の滝→やしおの湯→我が家:宿泊→明日は彼女達だけで東照宮山内散策予定(私はコーラス発表会があってアテンド不可能)。若い27歳の才女二人との話は新鮮で希望に燃えていてエネルギーをいただきました。
In a Kamakura snow house
A dinner together at home
Accepting the request from my second daughter in Ichikawa, I welcomed her friends, two young charming ladies from New Zealnad for visiting Nikko. I took them right away from Shimo Imaichi station to the deep Nikko to show them Ryuzu Falls, Yumoto where they challenged snow shoes walking in the snow. Then down to Kegon Falls and to Yashio hot spring. Then finally down to my house around 5:30. We had an enjoyable dinner together talking over the food. I had a wonderful time with them. They gave me a lot of energy with their talk about their hopeful future.

2015年3月6日金曜日

「人間力を高める会」  Human power enhancement

3月5日(木)
本日、ご縁があって、宇都宮グランドホテルで「人間力を高める会」なんていう栃木県経済同友会の一部の発起で開催された集まり(18人ほど集まっておられましたが)に参加させていただきました。栃木県下で活躍されている中小企業のトップ人、中に女性が5人おられて、その内のお一人が基調トークをされました。彼女は全国を基盤にしての園芸事業をされているそうで、体格も立派、エネルギッシュで声が大きく透り、笑顔を絶やさないトータルに輝いておられる魅力的な女性。益子博美CEO。面白いことに、そもそもFacebookで繋がった経済人達で、意志の疎通がうまくいく人達が自然に集まってきておられました。年齢は40代(?)~70代。
温かい人間性、明朗性を育てる三つの秘訣→①笑顔 ②陽転志向・楽しく思えるような志向③毎日零からスタート だと指摘。印象的だったのは人を判断するのは会って最初の6秒。①声が大きく、明るく、透き通っている②姿勢 ③が知性と言われたこと。これらは彼女が言っているのではなく、彼女が参加した講演会が余りに素晴らしかったのでその報告という形でした。これもFacebookで紹介されたことからそれに感動した人が本日の集まりを企画されたのでした。その時の講演者は千玄室さん、山本富士子さん、藤尾秀昭さんの3人だったそうで、その藤尾氏の「人生の大則」という本をおみやげにいただきました。此の世に絶対不変の真理はあるだろうか?と副題がついています。人は必ず死ぬ。自分の人生は自分しか生きられない。人生は一回限り。この悠久の宇宙において自分という存在はたった一人しかいない。これらは不変の真理。みんな死ぬ時は品格を備えた人になりたい。などなど、沢山のメッセージが発信された会でした。幕末の上杉鷹山に影響されたというあの元ケネディ大統領が発せられた「国が何をしてくれるではなく、国に何ができるかを考えよう」から得た発想の「他人(ヒト)が私に何をしてくれるかではなく、私が他人に何ができるか」と言う前に、自分磨きが強調されて、襟を正して帰ってきたところです。

2015年3月5日木曜日

ブルネイ王国ナションルデイ 31st national day of the kingdom of Brunei 

2月23日



日光清風塾の池坊保子先生・美佳先生をお迎えしての特別講演(2月22日)が終った翌日は、ニューオータニで開催されたブルネイ王国の31回目のナショナルデイレセプションに出席。毎年出席しているが、私達が赴任していたのが1996~1999。あれから20年以上たっている。今でもブルネイと日本は天然ガスで太いパイプを維持。当時、ブルネイから輸入している天然ガスの25%は東京、大阪の台所で消費されていると聴いた。相変わらず、東京ガスや大阪ガスから大きな大きなお祝いの花輪がかざられていた。印象深いのは氷のオブジェ。昨年はダウ船であったが、今年は先代の国王の名前がついたオマール・サイフデン・モスク。ブルネイ時代の友人にも再会出来るまたとないチャンスである。
It was the 22nd when Nikko Seifujuku organized a big event involving Mrs.Yasuko Ikenobo and her second daughter. And the next day, after sharing a wonderful time with her visiting the deep Nikko for half a day under such a beautiful weather, we went to Tokyo to attend the 31st national day of Brunei held at hotel New Ohtani. More than 20 years have passed since we were on duty in Brunei from 1996 to 1999. Brunei and Japan have been keeping a strong relation in the field of natural gas. 25% out of total quantity of imported gas from Brunei has been consumed in Tokyo and Osaka area household. Big congratulatory flowers from Tokyo Gas and Osaka gas were lined up together with so many Japanese enterprises. I'm always impressed with an elaborated ice work as an attractive object decorated in the center of the reception hall. Also it's time to meet some old friends with happy feeling.

2015年3月1日日曜日

日光清風塾特別講演会

平成27年2月22日() 於 日光東照宮 客殿

 日光清風塾が企画した今回の講演会は、折しも日光東照宮400年式年大祭の年にあたり、祝賀行事の最初のプログラムとして東照宮のご協力を得ることが出来ました。第一部は池坊保子先生の講演会で演題は「次世代に伝えたい、託したい人間力」、第二部では次女美佳先生によるいけばなのデモンストレーションを実施。懸念していた降雪もなく、寒さも比較的和らいだ中で事業は予定通り実施された。来場者数は当初の予定を上まわり大盛況でした。

保子先生の講演要旨「次世代に伝えたい、託したい人間力」

 ロイヤルブルーの気品溢れるスーツ姿で壇上に上がられた先生からの最初のメッセージは「人生の素晴らしさ、それは様々な人との出会いなんです。それは今なんです」と。一期一会。この場所でこの時間に、この時を共有するのは今だけ。一瞬一瞬が大切。この出会いから何を滋養とするか。
 400年祭の節目で注目が集まる徳川家康が先生は大好きとおっしゃる。最大の功績は平和な世の中を築き、それを265年も続かせたこと。家康の人生経験から重荷を背負うことが人を造る、勝つことばかり考えず失敗も必要であること、邁進せず家来から教えを乞うたこと。「鳴かずんば、鳴くまで待とうホトトギス。」死んだ後も神となって世の中の平和を守り続けたいという強い意志と求心力は凄い。京都では今年は琳派400年にあたる。家康が本阿弥光悦に芸術村を創設させたことから芸術を生み出す気運が高まり、今日に至っていること。これも家康の功績である。
 ライホルド・ニーバーという自由主義神学者をとりあげ、邁進、傲慢が社会の悪を生むこと。冷静さと知恵を持って取捨選択をする能力が必要であること。又、尊敬するケネディー元大統領の記者会見の時のスピーチの中に米沢藩主だった上杉鷹山の話が引用されたことを指摘。鷹山の自助、互助、扶助の精神が彼のスピーチに出て来る「国が自分に何をしてくれるかではなく、自分が国に対して何が出来るかを問え」という名言を吐かせた話もされた。
日本人は力を合わせて一生懸命であり、努力家であり、真面目であり、誠実、公平、勤勉といった要素を備えている。上杉鷹山の思想が流れている。子供の教育に力を注ぎ、藩校は260校、寺子屋も実数は3~5万あったと言われている。日本人の気持ちを引き立てるのは教育しかなかった。まさに自分たちで力を合わせて学校を作ったのである。こうしてみると日本人には立派なDNAが科学、文化、芸術、スポーツ、すべての分野に亘って流れている。

 稲盛和夫さんの京都賞の話。技術だけでなく、人を感動させる人が賞の対象。温故知新の意味。古いものを学んでそこから新しいものを創り出すこと。その時代の価値を認めるだけでなく、生き続けて行くこと。これが伝統であり、いけばなの伝統も同じである。生き続けて行くものだけが遺産として認められる。江戸時代は身分の束縛があったがお花の存在が心を癒し、生きる支えを得て今日に至っている。感謝の心、自然の命に新たな命を与える。川端康は「美しい日本の私」の中で、自然を愛で、新しい命を注ぎこむ。美しい自然に抱かれている日本人の感性の豊かさ、日本人の強靭な意志とやさしさを説いている。OECDによる生徒の学習到達度調査PISAを見ると日本はトップクラス。地域的にみると、上海、シンガポール、香港が断突であるが、国全体としてはレベルが高い。この素晴らしい伝統のある国で学力もある日本の子供達には身に付けた学力を社会や人類の幸せに結びつけて欲しい。学校教育に加えて大人がそれを教えていかなければならない。読書は判断力、推察力を構築する。大事なことはそのことを次世代に伝えることがわたしたちの役割だと締め括られた。不平、不満の前に、何が出来るかと思う子供達を育てたい。