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2016年4月28日木曜日

My duty is over. March 1st ~ April 28 (2016)

4月27日(水)
日本語科の試験無事終了。ホッとしたとたんに急に寒くなって(気温15度)しまったせいか、珍しく風邪をひいてしまいました。チベット旅行目前に、体調をととのえたいと思います。学生が手放せない携帯は試験中は没収。

The final exam. of my classes were over. Once I felt relieved, I got a cold in such an unstable weather here. Now I've got to prepare myself for our trip to Tibet next week.Their mobiles were in my hand during the exam.

The students'mobiles are in my hand
during the exam.'s on.
そして、一時も手放せない携帯は、試験中は没収。
The last practice of singing group
合唱練習活動も今日が最後。秋に向けて「河の流れのように」と「昴」を新しく課題曲に。どちらも日本語、中国語で練習することに。

2016年4月24日日曜日

ビッグな週末 Very precious weekend

4月23日(土)
私達のケーキを見守り待機する猫達
勿論餌はやってはいけません。






つぶれちゃん(顔がそのまんま)
科挙の試験が行われた所
三山街地下鉄駅の壁
授業は終わり、後は試験のみという時に、二年生の有志が私が猫好きであることから、夫共々、三年前に南京市で最初にオープンした猫カフェ(地下鉄駅名・勝太路:シュンタイルー)に案内してくれました。いや~大変癒されました。30匹ぐらいの1000元ぐらいのから数万元までする、おとなしくて品格のあるセレブな猫達に囲まれ*た、最高の1時間でした。猫好きな学生ばかりです。その後は地下鉄新街口から二つ手前の駅、三山街へ。南京料理の知っている筈の店を探して歩くこと三千里(?)。4~5時間は歩きました。でもこの場所はまさに昔の首都であった所の核心の場所。浅草の仲見世通りや、京都の河原町から東大路辺りを思わせる場所で大変な賑わいでした。夜のライトアップが見事で、昔の科挙の登竜門、難しい考試(ガオシ)が行われた場所と彼らが逗留した場所が残されている。ここを見ずして南京を語るなかれという印象を持ちました。さんざん歩いて皆、疲れましたが、見ごたえのある、歩きごたえのある夜となりました。結果的には別のレストランに入ってしまいましたが、最高の一日となりました。キャンパスを午後2時に出て、バスと地下鉄で中心街に行き、帰りは地下鉄とタクシー(バスは10時半まで)で戻ったのが零時近く。バス代は距離に関係なく一人2元ですが、学生達の使用するタクシーは、携帯から予約するもので、安くて信頼がおけるとのことで、何と3元。3人乗れば1人1元というわけ。いろいろ経験出来ました。
Wonderful day we had thanks to our students. For the first time we stepped in a very clean and modern Cat Cafe in Nanjing. Many beautiful and charming various kinds of cats were wondering around or stretched themselves at ease on the floor. They were so relaxed and friendly. I was so happy to be with them and I felt so relaxed myself. Then we moved into the center of Nanjing city, the most important and historically prestigious place which looked so gorgeous at night time. This area is the most special and must-see spot in Nanjing. We left our dorm.at 2:00 in the afternoon and came back just before midnight. We walked a lot today. Very exhausted but very good for us.

2016年4月21日木曜日

日本語スピーチから感じた事 4月20日

2016年4月20日 水曜日 
今日はこの大学で日本語学科の学生のスピーチコンテストがあります。上海の日本総領事館からも文化部長をお迎えします。朝からリハーサルなど、学生は忙しく準備しています。審査員の一人として頑張ってきます。・・・FBの投稿その①

 
河合老師の指導で花を添えるコーラス隊
 日本語3分間スピーチコンテストは雨の中、30分遅れでスタート。ここにいたるまで、特に最後の一週間の彼女たち(残念ながら男性の出場者は無し。でも司会は三年生の男子学生が見事にやってのけました。)の熱意には凄いものがありました。入れ替わり立ち代わりで宿舎を訪れ、文章や発音のチェック、プレゼンの仕方など、勉強した成果はバッチリでした。内容、発音、態度、なめらかさという四つのポイントからの評価でしたが、甲乙つけがたい出来栄えでした。「私の一番の宝物」「日本語から得たもの」がテーマでしたが、それぞれの体験から学んだこと、得たことを簡潔に表現した文章を、良く読み込んでいました。なめらかに言葉が出ていたことに、本当に感心しました。小さい時から言葉、文章の暗記は徹底的に指導されてきているので、暗記するのは得意なのかもしれないが、やるべきことは一生懸命やるという使命感の強さは素晴らしい。 FBの投稿その② 
 
三年男子学生の司会は上手でした。
 この投稿のコメントとして「・・・優秀な人ばっかりなのですね」というのがありましたが決してそうではありません。優秀という言葉より、一生懸命努力する姿勢が凄いと言いたいです。自主的に持ってきた原稿の手直し指導をしたら、書き直して又持ってくる。発音のチェック、イントネーションのチェック、間の取り方、表情など指導すると、「はい!はい!」と本当に素直に受け入れる。何回も何回も練習して、また、やってくる。あげくのはては、私の読み方を録音にとる。最後に「これでいいかどうか、見て下さい」とフリーハンドで、直立してプレゼンをする。準備の段階から感心していましたが本番に立ち会って、正直、目がうるみました。彼らは、日本が好きで、日本の事を勉強しています。私自身、勉強してもっと中国がすきになるようにしなくてはとつくづく思いました。


 こちらに来て、今週末で2か月の講座が終了します。来週は試験を実施。ここにきて、このスピーチコンテストというイベントを通して、悶々としてきた私の気持ちが大晴になりました。涙しています。頭の良し悪しの問題ではない。でなきゃ、頑張れません。彼らが受けてきた教育は先人の教訓、知恵を徹底して暗記し、教師のいうことは素直に受け入れる。(教師はまだ尊敬される存在なのです)考える力は別として、その基礎になるところは幼児から教え込まれる。幼児は文句なしに覚えこむから凄い。私が中国語の教科書に出てくる諺とか、訓示を覚えようとして一寸出だしの部分を言い始めると、彼らはすぐ全員がそろって、声高々に言ってくれる。驚いてしまいます。電車やバスの中で、どんな状況であっても、迷いなくスッと立ち上がって席を譲ってくれるのも徹底した教育の結果かもしれません。
来賓、審査員と反省懇談会


 

2016年4月15日金曜日

有名進学校訪問 Visit to one of the most prestigious schools in Nanjing

4月14日(木)
昨日は孫曼さんのご配慮で南京市でも優秀な中高一貫教育の公立校、南京外国語学校を訪問、高2の授業風景を見させていただきました。高1で全員日本語能力検定N1に合格しているという。今回は、前に彼らが脚色して演じた「浦島太郎」の演劇のDVDを見て、その感想を述べるというものであったが、生徒全員が日本語でそれぞれの感じた事、視点を巧みに表現するのを見て感動しました。思想も深くて、それを表現出来ている。玉手箱をテーマに議論させた教師の技量も素晴らしい。入学競争率は10倍強の由。全学生数4000人中日本語専攻学生数は58とのこと。
教師の巧みな指導
最後に励ましのご挨拶
もう一つ驚いたこと。帰路、ある小学校の門のあたりでの凄い人の集まり。これは生徒を迎えにきている父兄(殆どが祖父母)とのこと。圧巻でした。
児童を迎えに来る父兄で溢れかえる校門
Thanks to Mme Son, we had a very precious time to watch the 11th graders'Japanese class of Nanjing Foreign language School located nearby Chinminsu. This school from 7 to 12 grades is one of four public Foreign language schools in Nanjing. This class has 12 students who have been studying Japanese more than four years. They are all excellent to express deeply themselves how they feel and what impression they have on the story they created based on one of Japanese folk stories. Not only their good Japanese but also their way of thinking and creativity impressed us very much. All the students in the class participated in the discussion well directed by their excellent teacher. Having more than 50 years'history, this school has sent half of the graduates abroad for higher education at such as Harvard, Princeton, Waseda, Beijing, Shanghai, etc. and 8 ambassadors have been produced up until now.

2016年4月10日日曜日

学生さん達とハイキング Enjoyable picnic with our students

4月10日(日)

山道と思いきや、正規の道はきちんと
した、車道が頂上までありました。
今朝、ついにゴミにアタック。あの神聖なる小山(私が一人で早朝にラジオ体操をやる所)だけで、大きなレジ袋が一杯に。紙おむつも2枚捨てられていました。きれいになって、本当に気持ちがすっきり。それから二年生有志8人とこの大学から歩いて行ける方山という所にハイキングに行ってきました。驚きました。観光スポットになっている所とは知らず、案内板には日本語もあったり、山が茶畑になっていて、お茶の研究所までありました。標高は209mという低い山なので、歩く距離としては最適。ゆっくり、いろいろ観察しながらの歩きでしたが、9時に出発して、2時には寄宿。夏日の健康な一日となりました。もう一つ驚いたこと、それは、あるひっそりとした山道(正規の観光客用道ではない)に、チベット仏教の経典の一部が、ハンカチのような色様々な布に印刷されたものが万国旗のように木々につるされて、まるでこいのぼりのような場面に出会ったことです。
頂上、ガラス展望台で記念撮影


After picking up those rubbish around my favorite hill in the campus early in the morning, I joined the group of sophomore students with my husband to go hiking to the top of the small mountain nearby named Houshan. We found this mountain one of the popular tour spots and it has various treasure such as tea field with its research center, a volcanic site and cherry blossoms' park. It was worth visiting and gave us a great exercise under summer-like hot weather.
学生達のやらせ写真
beautiful decoration of small handkerchieves
with Tibetan Sutra

ゴミ拾いが気になり始めました。 What should I conduct myself in front of the rubbish?

 
この丘の上で朝のラジオ体操を気持ち
よくやりたい。

4月10日
 今日は一寸視線を足元にも向けて・・構内には「静」「清掃」などと学生へのマナー向上を図ったスローガンがあちこちに掲げてありますが、まだまだこれからです。朝の爽やかな雰囲気の中、設置されたゴミ箱は乱雑に・・人間のみならず、猫達、野鳥達の生命力の結果だと納得しています。でも、毎朝向かう運動場奥の小山の土手のゴミがだんだん気になり始めています。そろそろここだけでもゴミ拾いをしてみようかしら。変なおばさんが最近不可解なことをやっていると思われるかも。清掃員も早朝から任務をやっているのですが、イタチごっこのよう。
 目を上に向けると、颯爽とスタイルも抜群で歩いている学生の中に、洋服も完璧にお揃いのツインの女性が目の前に歩いていましSた。思わず、シャッターを。
I have been minding these rubbish scattered here and there on this campus which might have been made by either cats, birds or students who wouldn't mind the papers on the walls saying 'Keep quiet' and 'Keep clean'. I'm thinking about rubbish picking as I used to to in Nikko on my walking route. Shouldn't I? I'm pretty sure they might think I am a queer stranger. 
この清掃道具で清掃するスタッフもいるんですが
イタチごっこ状態。

2016年4月5日火曜日

南京で最大の観光スポットに出かけてきました。

4月4日(月) 中国は清明節で休日
 
  


今日はやっと学生も一人加わって、明孝陵行きが実現。広大な敷地で全部歩くには一週間は必要。それを一っ気に今日は、世界遺産で有名な石の動物像が並ぶ神道、桜で有名な日本庭園、宋美齢宮(元、総統の官舎)、孫文のお墓がある中山陵を見学。地理感、方向感覚が広大な領地の中では働かず、効率の悪い散策になってしまったが、おかげで5,6時間は歩いた計算になる。大勢の人でどこもかしこも大賑わい。宋美齢の生涯を改めて見て激動の時代に生きた才媛であったことが良く分かる。106歳まで生きて活躍していたというのが又凄い。それにしても、中国政府が国民党総統の館をこういう形で、良く保存しているものだと信じがたい現実を知ることが出来ました。宋美齢はsycamore(アメリカすずかけの木)をこよなく愛した人だそうで、蒋介石がこの中山陵を中心に南京中にこの木を植えさせたとのこと。鳥瞰図で見ると、秋の紅葉の季節には、屋根が緑の石を使っているこの宋美齢宮を中心に、黄色に輝くこの木の紅葉がペンダントの輪郭をなし、しれはそれは見事な景観である由。とにかく、自然を目いっぱい取り入れて構築した権
威の象徴はスケールが違う。館そのものは比較的質素である。
 孫文の中山陵も山の地形を使っていて、下からの石段を数えたら348あった。東照宮の大鳥居に匹敵する門が間隔を置いて3か所あり、一番上に孫文の石像とその下にお墓が。アプローチが北京の故宮を思わせるような造りで英雄を称える格式のある印象を受けた。
 日本庭園は20年前くらいに福岡県が寄贈したもの。ここにあるソメイヨシノは南京市で一番見事であるそうで、前回道がわからず見れなかったことが悔やまれる。でも、今回は八重桜が見事に開花していて日本のつつじももう蕾を出し始めていた。今日は好天に恵まれ、最高の散策日和になり、当初の目標は達成できました。しかし、足の指がどうにかなりそうなぐらい良く歩きました。学生も初めてということで、彼女のガイドは一寸期待外れでした。地下鉄に乗って、バスに乗るときの路上は帰省していた学生達が戻ってきたタイミングとぶつかって、ものすごいラッシュ。バスを何台も見過ごす羽目に。
 今日、もう一つ面白かったことは、カナダ人カプルに孫権の巨大像の前で出会ったこと。彼らは、テレビの映像を見て、中国旅行を思いついたそうで、1か月かけて国内を観光して歩いているそう。リタイアしたカプルで、オタワからということを聞いたとき、私たちの出発点がオタワであったことから、この奇遇に思わず乾杯したくなりました。歩いているといろいろな人に出会うから面白い。

2016年4月3日日曜日

Longer weekend April 2,3 and 4th

清明節 


 中国の4月4日は清明節で祭日。従ってこの週末は3連休となり、多くの学生は帰省。そんな中でも、毎日いろいろな学生を宿舎に迎えて汎語学習をやっています。「活到老 学到老」
 夕方には昨年夫の授業を受けた南京大学大学院生が二人来て4時間近く食事したりおしゃべりをしたりして楽しい時間を過ごしました。、
Many students are away back to their parents for this longer weekend including their national holiday on April 4th. We keep our everyday schedule inviting some native students to study Chinese.
And in the evening we welcomed two graduate students of Nanjing university who were my husband's students last year when he conducted a course there. We had an enjoyable time for almost four hours.

2016年4月2日土曜日

How am I doing now?

3月30日 今回は一寸手紙形式で近況報告です。

ご無沙汰しております。

こちらに来てから1か月、授業も5週目に入りました。今までがそうであったように、新しい環境での生活には特に違和感はありませんが、言葉の壁は何ともしがたく、置いてきぼりにされている感がありますが、何事も一朝一夕には実らないことを肝に銘じて頑張っています。主人が学生を引っ張って来ては、中国語の勉強をする姿に改めて敬服しております。その中に入ってやるのですが、言葉が出ない達磨さんの如きで、なさけないやら、自分で自分を叱咤激励するやら、もがく毎日です。外国人(今のところ、フィンランド人留学生4人と我々二人)向けの中国語の授業にも出ていますが、私一人だけがビギナーで、いろはからの状態で参加しています。英語での説明が時々入りますので、何とか、喰らいついている状態です。中国語の諺に(多分日本にもそれに相当するのがあると思いますが)活到老学到老阿(老いても学び続ける)というのを昨日学んで、まさに我々のことだと二人で苦笑。又、有志者、事競成(意志のあるところ、道はある)というのも知って、納得しました。

今週から幾分気温が上がり、ようやくウオーキングを再開。キャンパスを一周すればだいたい1時間。早朝に歩いているとキャンパスの様子がいろいろ見えてきます。気が滅入った時はやはり歩くに限ることを再認識できました。朝は7時半からの授業が一時限ですが、7時ごろ歩いていると、運動場近辺で放送関係を専攻する学生達が、あちこちで、ボイストレーニングをやっている光景にぶつかります。救急車が来たかと思うような、サイレンのような声があちこちから聞こえて、最初は、事故でも起きたのかと思ったほど、けたたましい発声です。思い切って尋ねてみたところ、テレビ、ラジオなど、アナウンサー志望の学生の日々の努力だとわかりました。私が今、まさに100個はある、ピンイン(発音)の練習で苦労していますが、彼らでさえ、それを正しく、美しく、クリアに発声する練習をしているのを目撃して、感動し、励まされました。やはり、努力をしているのですね。2月の交流会で司会を担当した藍さんもアナウンサー志望で、我が家にホームステイしていた時、何時も司会の原稿を読んでいたことを思い出しました。

一方、日本語の授業は一年生、二年生のクラス、それぞれ23名、それに、正規の学生ではないのですが同じキャンパスに国際教育センターというのがあって、そこの授業を一つ担当しています。学生さんはみんな素直で、先生を本当に尊敬してくれる様子が身にしみます。ホームステイした学生達全部担当しています。李さんがいろいろ私の手助けをしてくれています。彼女はまじめでしっかりしていて、9月から立命館大学に一年間、他の3人と一緒に留学します。交流会を来年やれば是非行って高田先生にお会いしたいと言っています。更に、我が家と松尾さんの所にステイした韋さん、貴船さんの所でお世話になった劉さん、更に2年生が二人(ホームステイには参加していません)日光か草津の某ホテルでの一年間のインターンシップを得ることになりました。これも9月からだそうです。先日、ホテルの関係者が来校して面接をされたそうです。交流が深まっていく流れになって主人も大変喜んでいます。

何とか元気でやっております。この年で、半世紀前の学生時代に戻って夫婦でキャンパス生活をしていることが不思議でもあり、大変あり難いことだと、それこそ、FB仲間が毎日前向きに発信してくれる情報の中にあるメッセージ、「笑顔愛語と報恩感謝、そして行雲流水」をモットーにしています。


326日(土)
  
 夫にかねてよりリクエストしていた南京大虐殺記念館と明孝陵のソメイヨシノ見学に出かけて行った。
 朝ゆっくり出かけたせいで、結果的には目的を半分だけ達成して5時半頃帰宿。9時半頃出て新街口乗り換えで2号線4つ目の駅、雲錦路へ。ここは錦のような刺繍で有名な所らしい。この地下鉄駅で降りて地上に上がると目の前に記念館がどっしりと佇んでいた。路を横切ると、長蛇の列。全部中国人。上りの旗を持って団体を引率している人もいる。老弱男女、学生、若い人達、全世代が参上している感じである。列の中に入ると、どこかで聞いたことがあるように、日本語は使わない方が良いということもあって夫とは自然に別々に中へと進んだ。中に入るまでの記念館の建物の外のスペースには、巨大な石の彫刻が聳え、その後、等身大、いや、それ以上の石の彫刻が続く。戦争に巻き込まれた市民善人親子の苦痛と恐怖に満ちた表情の像が迫ってくる。これらは、当時、パリで勉強し、制作を続けていた中国人芸術家が、南京の悲惨な状況を立体図案にしたものを基にしたもので、第二次大戦下、地下に隠しておいたおかげで保存出来た由。それを彫刻にしたものだそうだ。彼は1980年(?)代にこの世を去っている。従って、この彫刻群はこの記念館のために作成されたものではないのだろう。戦争の悲惨さを訴えた秀作だと思う。

 記念館は堂々としていた。一寸、警戒していたが、特に持ち物を検査するでもなく、入り口には警備員もいないし、窓口もない。無料なのである。みんな、大きな荷物は預けていたが、バックパックは持ち込みであり、カメラもOK.撮影もみんなやっている。写真と資料が大量に展示されていたが、説明文が小さくて見えにくい。中国語、英語、日本語とどの展示品にも3つの言語で説明がついている。館内はクリーンで展示も見やすいように整理整頓されている印象を持った。記念館の敷地にはまず誰にも目に付くように「30万」という数字が大きく掲げられているが、館内の資料もやたらとこの数字が目に付く。その真偽は誰にもわからず、真相の追及が続いているが、それより、展示された資料の多くが日本人から提供されたものであり、アメリカが関与したものも多いということに驚いた。捏造物が多いと言われているが、どれがそうなのか、素人にはわからない。知らない人は完全にこの記念館の情報はまるのみ出来るくらい整理されている。ということは、学校教育でこの場に生徒を連れてきて、この通りの説明をしていると対日感情を悪くする教育をしていくことになる。そうであればこれは大きな問題であろう。これからの日中関係は友好関係を育てて行くべきで、過去の過ちを繰り返さないようにお互いが努力して行かなければならないと思っている。

 
 ここで、中国人女性でアメリカ国籍を持った優秀なジャーナリストの存在を知った。彼女はアメリカの依頼で、南京大虐殺の真実究明を手掛けた人らしい。彼女はその後大活躍して真相究明に奔走するが、若くして自殺したと書いてあった。30年に亘って南京に駐在したドイツ・シーメンズ会社のジョン・ラーベ氏の南京日記を発見した人である。ラーベ氏は民間人の保護に尽力して、南京のシンドラーと言われている人である。これも良くわからない。アメリカ人宣教師で今の南京大学の前身金陵大学で長く教鞭をとり、安全地区で強姦されないよう婦女子をかくまったという女性版シンドラーのような人の存在も知った。しかし、この女性も後にアメリカに帰国してから精神病で自殺したと記されている。

 いろいろ不可解な事や真実とされることがどこまで真実なのかとうていわからないが、展示が終わる最後に置かれていた大きなメッセージは立派なものであった。戦争を起こした人類を敵だからと憎むのではなく、その残酷さ、悲惨さから、戦争はあってはならないことであり、戦争から学んだことを人類が共有して、世界に平和な未来をもたらすようにすべきだというようなメッセージであった。これは展示資料の中に、日本の歴史学者で藤原学と言う人が日本のどこかで講演をされた時の原稿があったが、そこにも同じことが書かれていた。戦争は決してあってはならない。
(帰宅してネットでいろいろ検索したが、この女性の記事が見つからず。そのかわり、山田順というジャーナルストのブログを発見。彼の「教育とは誤解と偏見を乗り越える旅。その旅の途中で子供たちはidentityを確立して大人になる。これが出来て初めて大人になるのではないか」というメッセージに大いに共感した。


 記念館の後、明孝陵のソメイヨシノを鑑賞に行くつもりが、歩けども歩けども目的地にたどり着けず、夜は又合唱の練習が控えていたので、諦めて寄宿。来週再挑戦することに。