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2017年9月3日日曜日

第60回日光清風塾講話会to be followed by 第59回講話会 「日光市からの文化発信と観光振興」


第60回日光清風塾講話会 平成29年8月27日()

「日光市からの文化発信と観光振興」

 ヨーロッパの街中のプラザ、広場のような楽しい中心広場が日光にはあるだろうか。そういう場では交流があり、文化発信が出来る。6月に一カ月かけて日光霧降で「霧降の芸術祭」というのが開催されたが、素晴らしい企画だと思う。あれをもっと広く、多くの人に知って貰いたい。日光ではレベルの高い音楽芸術が生まれる土壌があるという文化発信が出来るのでは。

 参加者から出された日光からの文化発信についての意見、感想に触れながら自由に意見交換できる雰囲気の中で話は進められた。人生経験を重ねた人達こそが文化だという意見、もっと民間の力を引き出して投資を促し経済力を高める必要があるという意見(ピーク時の宿泊施設の不足など)、外人向けのPRパンフレットの内容量が少ないという指摘、あるいは日光の深刻な問題の根源となっている人口減が壮大な資源を持つ日光を抱えきれない状況で、構造を変えなければ動きが取れないというご意見、住人には幼少の頃から日光に誇りを持つべく人材教育に力をいれるべきで、観光に力を入れた教育施設を創設、充実させていくべきという意見、中には、日光の偉大な文化遺産を取り巻く壮大な自然の中に住む立場として、観光化、俗化より、滞在型の人を迎える、つまり、ペンションと高級ホテルの二本立てでリゾート観光というのが好ましいという意見もあった。

 最近の調査で夏の避暑地として一番人気は日光だという。日本の精神文化に関心を示す外国人は多い。金沢の鈴木大拙記念館を例に挙げて、聖地日光でも参道を歩きながら、座禅体験、あるいは写経体験など精神文化体験が手軽に出来る環境作りが出来ないだろうか。更に、参道を美しいレンタル着物で歩いて貰って日光初のファッションという試みも何かモダンな風で面白い。中国からの若い学生達のホームステイ体験を日光清風塾でも数回実施したが、一週間程度でも日本人の家庭で共に過ごして交流したことが日本の文化を知り、日本の文化の素晴らしさを理解出来たという感想が多い。まさにこれが文化発信である。1月の講話会でも取り上げたように、杭州市では今や観光は見物型から体験型に舵取りを替え、ITを駆使して観光業を活発にしている。


59回日光清風塾講話会 平成2979日(今年度総会後)
「日光市の国際化と観光振興」



総会終了後、上記講話会開始前の20分間、インターミッションとして当塾会員の西郡淳子さんによるオカリナの紹介と演奏が行われた。オカリナというペルー発祥の珍しい楽器がイタリア経由で日本に上陸し、今では日本が一番ポピュラーになっているという。種類の多さ、それぞれの音色の違いなど、オカリナの入門編トークと演奏は大好評であった。
ここ数十年はまだ上昇するであろう東アジアの人口も、中国が、唯一既に減少化の道をたどっている日本を追うように230年後、2040年あたりから減少方向に突入すると言われている。2030年頃は東アジアの経済力は拡大して世界の40%を超えると言われるが、日本の国内マーケットが縮小する中、日本の繁栄はどれだけ東アジアの経済力を取り込んでいけるかにかかっている。日光市の活力もしかりである。近隣諸国の増大する経済力を取り込むことを考えておかなければならないだろう。
これからの観光は見せるだけのものではなく、体験して楽しむ観光、遊びをする観光であり、1月の講話でも触れたように、中国杭州市が目指す観光に学ぶところが多い。平成241215日発行の当塾会報「清風」でも寄稿があったように、「日光をスポーツのメッカに」という提言から、今回、中禅寺湖上での水上散策(スタンダップパドルボード)をスタートさせた福田大介当塾理事の話、「ぺちゃくちゃナイト」を開催し、世界中に日光の素晴らしい面をサイト運営で発信している渡邉直美さんの紹介もあった。
日光市が直面しているアクセス、交通システム等のインフラ整備も課題であるが、日光を近隣諸国にアピールする意味で、昨年のアセアン10か国大使を日光に招聘したように、今秋にはRCEP,アセアンを除いた東アジア貿易協定国である中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの大使招聘を企画中。交流の体験をしながら来晃者への地元民のおもてなしを工夫する中で人材育成を図るというのが最大課題と言えるだろう。
会場の後ろに、当塾会員の藤井雅子さんのスイスの美しい山々をスケッチした作品が展示されて参加者の目を和ませて下さいました。

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