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2019年7月11日木曜日

第76回日光清風塾講話会要旨  令和元年6月30日


76回日光清風塾講話会要旨                  令和元年630

「ヨーロッパの右傾化は世界にどのような影響を与えるか」



(日光清風塾の総会に続いて、上記のテーマで塾長による講話会と当塾会員である相場晧一さんによるフルート演奏が開催された。更に、折しも625日~71日まで、日光でホームステイ体験中の中国浙江伝媒学院学生8名の一行と宇都宮大学の留学生5名も講話会に加わり、最後には若さで賑わう交流会が実施された。)



講話の要旨



トランプ大統領の自国優先主義はヨーロッパの右派を鼓舞。イギリスの動きは彼を喜ばせるもの。



   EUが抱える問題は経済格差が大きい事。貧しい国が多く、豊かな国が財政を助ける運命にあるため、イギリスのEUからの離脱問題が発生。

   難民流入問題が2015年にピークに達した。200万以上。人道主義と労働力不足からメルケル首相は100万人の難民を受け入れた。国際協力を主張。このメルケル首相の政策ドイツ国内で反感を買うことに。イギリスが一番大きな反感を持つことに。

   人種差別問題が深刻化。アラブのテロリストの問題。ノルウェー、フランスでも。ヨーロッパでのテロ事件後、塾長がパリで回教徒組織副会長(弁護士)に会見した折、彼は自分たちはフランス人でフランスのことを考えて生きている。親の代にアラブの国から移民してきたが、自分たちはフランスで教育を受け、フランス社会の中で生きる術を学んできたフランス人であり、回教徒のテロに反感を証言したことが印象的。

   イギリスはヨーロッパの国とは言えない。イギリスはEUの前のEECの経済の発展ぶりに魅せられて加盟申請をしたがドゴールに拒絶された。何故?イギリスとアメリカは第二次大戦の同盟国であり、イギリスの背後にはアメリカが存在。文化伝統がヨーロッパ大陸とアメリカとは異なる。イギリス、アメリカは経験主義(帰納法)に基づき、大陸は理屈優先の演繹法。ヨーロッパを統一しているものはキリスト教。従ってロシアはキリスト教文化圏でヨーロッパに含まれる。今やイギリスは経済状態の悪いEUから離脱を求めている。



お金は経済の手段だけではなく、政治が統一されるということ。共通のお金を持つということは共通の社会を運営すること。イギリスはEUに本心から入っていなかったから離脱し易い。ユーロの崩壊はEUの崩壊に続く。これは世界経済に大きな影響を及ぼすことになる。

中国の一帯一路政策はヨーロッパを中国の経済圏に巻き込みアメリカに対抗する可能性はある。経済的に健全なもので世界経済の安定に貢献することになるのであればこの政策に日本も参加することになるだろうが、米中関係が難航している今、日本の立場は難しい。

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