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2016年1月6日水曜日

11月29日(日) 第46回日光清風塾塾長講話会   11月29日(日)

       「ノルウェーを例として税の軽減について議論しよう」

要旨例A
ノルウェーの税率の動向の歴史
1970年 VATの導入・税率は20
1982年 食料品の軽減税率15
1993年 VAT引き上げ 22
1995年   “    23
2001年   “    24
2005年   “    25
2016年 特別低減率  810% 

 北欧は社会党系統が政権を取ってきているが、1970年代は必ず税収が少なくなるという見通しで、消費税を導入。保守党は所得税、法人税の引き上げには反対し、社会党政権下でVAT(消費税)導入に同意。社会福祉政策維持に必要。
 日本は、税収の見通しからの議論ではなく、財政赤字解消のために消費税を8%から10%に引き上げようとしている。ここで低所得者対策として軽減税率導入の議論がなされている。消費税は全品目8%かけられるが、軽減税率は品目ごとに異なる税率となり、売上高に応じて免税、みなし課税、全品目に税率を明記して納税させるという意見もあるが、そのための作業には莫大な時間と費用がかかる。導入には賛否両論半々となっている。ノルウェーの場合、政府にまかせず、インボイス方式で小売店が全部計算する。税を納める重要性を実感することで高福祉の恩恵を最後まで国から受けることに納得出来る。税の動向の透明度が高く、税に対する責任感、義務感が強いと言える。福祉政策拡充のためには税収増加が必要であるため、軽減税率と福祉政策のバランスが重要課題となる。
 

要旨例B. 
講話の冒頭に二つ問題を指摘。①ISによるテロ活動の波紋・・平和な国ノルウェーにもイスラム教徒が増えてきている。ノルウェーでも若者による事件が勃発した。(二年前)事件が起きた後、ノルウェーとパリに研究取材に行った話に言及。パリでは全仏イスラム教徒協会副会長、サン・ドニのモスク代表者とのインタビュー。今回のパリでのテロ事件(11月13日)に言及。外国人排斥グループの増加。→いつか講話会で取り上げよう。
②来年2月13日の国際学生交流会の企画のお知らせ。

会場から提起された質問。①同じ率の軽減率に疑問②福祉政策:高税率で将来の生活の保障は確保されるのか。(ノルウェーと日本の比較)③消費税の内容吟味(小規模店は消費税を払わなくてもよい。)④どうやって税を受け取るのか⑤軽減税率導入すると消費税問題が難しくなる。

高福祉政策の発端は19Cのドイツ:工業化により労働者への手当が必要となったこと。1930年代の大不況から経済学の大革命へ。ケインズ社会主義政策。北欧は社会党系統が政権を掌握。必ず税収が減るという見通しで消費税導入。所得税、法人税の引き上げは賛同せず、VATを導入。日本は赤字対策で導入。(日本:所得税30%、法人税21%、消費税17%。日本は外国資金の引き揚げが起きると財政回復は不可能となる。財政赤字解消に尽力するしかない。税の軽減率は低所得者対策。生鮮食品、加工食品など。減収額は4000億円までという(公明党対策)。軽減率は品目ごとに異なってくると膨大な仕事が増える。売上高が5000万円以下まではみなし課税。リストアップして課税すべし、となるとどこで線引きをすのかが非常に難しくなる。売上1000万円まで免税。1000万円~5000万円はみなし課税。5000万円以上は全品目税率を明記して納税させる。ノルウェーの場合、インボイス方式で小売店が行っている。税に対する責任感、義務感が培われている。

税金が本当に国策に生かされているか、実感できるシステム作りが必要。来年度予算が79兆円から20兆円上乗せされて97兆円になる。日本のオンブズマンは機能していない。政府に任せない機能を全開すべき。ノルウェーの場合はそれが目に見える効果をあげている。

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