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2011年10月10日月曜日

日光清風塾

 10月9日(日)恒例となってきた第九回日光清風塾塾長講話会が市民活動支援センターで行われた。今回は8月下旬から9月上旬にかけて、ノルウェーのベルゲンで一週間、続いてオスロで一週間、更にパリで一週間、社会、経済の現況の研究調査をしてきた河合塾長が「悩み深まるヨーロッパと日本」と題して講話。、かねて、①ノルウェーの社会保障と税制がどういうものであるか、②ノルウェーとフランスの少子化対策③ヨーロッパの経済状況の比較 といったことをテーマに、いろいろな方とのインタビューや入手した資料を基に、写真や、ビデオを紹介しながらの話であった。時間が限られている中で、今回は、日本の経済も不振なのに円高が続く原因が欧米、特に、ヨーロッパ経済の不況にあるということが、解りやすく説明された。そして、たまたま7月にノルウェーで興ったテロ事件がノルウェー人に大きなショックを与えた問題となっていた矢先であったことから、世界中に台頭してきているイスラム教徒の問題にも触れ、興味深い話だった。パリでイスラム協会の副議長と面会した時の貴重なビデオの紹介もあった。それぞれの国により、イスラム教徒社会への対応は異なるが、この副議長は勿論、ノルウェーのイスラム社会ともコンタクトがあり、ノルウェーはイスラム教徒に寛大であり、理解があるということ、ノルウェー社会に良く受け入れられているということにむしろ感謝しているということを言っていた。この副議長はチュニジアからの移民の子であるが、しっかりフランス社会の中で高等教育を受け、弁護士としてフランス社会に貢献している立派なイスラム教徒であり、穏健派の人である。彼は原理主義者を非難している。つまり、私達は良く理解していなから、偏見でもってイスラム教徒を目の敵にしていないだろうか。ノルウェーでおきたテロ事件は、ノルウェーの移民排斥運動、極右翼の人間の単独犯であったが、それに対するノルウェーの反応が又素晴らしいという話。この事件でひるむことなく、国は、移民への寛大な政策を取り続けるということである。前半は経済不況に悩むヨーロッパと日本の話、後半は世界に台頭するイスラム教徒の話であり、いづれも深い問題であるだけに、出席者の関心を招いたと思う。時間をオーバーしての熱が入った講話会であった。少子化の話は、時間の関係で、別の機会に話をするということである。
  今年、世界が注目し感銘した二つのこと、それは大震災後の被災者を中心とする日本人の冷静さと忍耐強い対応であり、もう一つは、ノルウェー政府のあのテロ事件後の毅然とした対応であるということ。この視点は大変印象深かった。

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