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2012年11月12日月曜日

日光清風塾 第18回講話会「領土問題について」

11月11日のまさにいい日に予定通り塾長による第18回講話会が支援センターで開催された。今回はホットな時事問題をということで「領土問題について」というのがテーマ。
まづ、四つの問題を提示。①最近領土問題が激化している理由は何だと思いますか。②北方領土問題は、歯舞、色丹、国後、択捉の四島が絡むが歯舞、色丹の二島だけでもロシアは日本に返還すべきか、あるいは四島全てを返還すべきと考えるか。③韓国による竹島の不法占拠に対してどう日本は対処すべきか。④尖閣諸島問題の対処の仕方は。
①については日本が弱くなってきていることがその理由というのが大部分の反応であった。②については半々の反応。歴史的な背景説明から問題の全容がわかりやすく説明された。幕末の日露条約(1855年)から始まり、1875年の国境の再認識、1945年のヤルタでの米ソの密約(スターリンの千島列島の要求、ルーズベルトの合意)、ヤルタ協定を根本にしたサンフランシスコ条約、樺太の一部を日本は放棄など一連の外交上のやりとりを経てきているが、千島列島の定義がはっきりっされていないという。連合国は全地域を言うが、日本は日本固有の領土とした(1855)南千島は千島列島に含まれないと主張。鳩山一郎内閣の時、ソ連の大譲歩により、歯舞、色丹の二島の返還が実現されようとしたことがあったが、冷戦時代の米の干渉が入り、四島全島を返還しなければ沖縄の返還はやらないとした。結果、北方領土問題が今日まで残されてしまった。③竹島問題も歴史的背景説明があり、1905年、日本による朝鮮半島の占拠で竹島は島根県に編入するという措置がとられ、1910年の日韓併合条約に。戦後朝鮮の独立の時、李承晩が竹島は韓国領土なので返還して欲しいと施政権を握っていた米に要求。しかし、歴史的な証がなく、そのままにされた。1952年に韓国は日本との国境線を引き、韓国が行政権を握る。アメリカの立場は日米安保条約と照らし尖閣諸島問題て行政権のない日本を支援することは出来ない。米の立場は至って不明。米には日本、韓国との関係を悪くしたくないという意図がある。かといって、戦争になった場合、憲法九条により軍事力行使は出来ない。自衛隊は防衛時のみ行使出来る。韓国も日本も本心は対立を表面化しないよう話し合いの継続こそ唯一の解決策だと思っているのでは。④も歴史的背景をまず理解。尖閣諸島問題は日本固有の領土であり、日本が行政権を握っている。1892~7,8年かけて日本は調査。1895年日本が領有権を主張。国際法のルールにより、最初に発見した者の国際的宣言が証明されれば発見者の物となる。中国は古文書を提示し、日本の軍国主義によって奪い取られたと主張するが、国際司法裁判所には通用しない。1969年石油資源の発見。沖縄返還を反対した蒋介石がこの問題の仕掛け人。米に中華民国との共同経営を申請するが、米は日本と緊密路線をとり、李統揮は沖縄返還を推進。要はお互いの主張を言い張るのではなく、緊張感の中で話し合いを続けていくのが一番望ましい。それがどの国にとっても国益となるのではないか。そのためには戦争のためではなく、平和維持のために軍事力を強化することが大事であろう。

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