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2013年2月3日日曜日

日光清風塾 第20回講話会

 1月は休講であった為、今年になって最初の講話会。テーマは「地方分権について」
ここ数年、この問題は議論されてきているがなかなか道が開かない。例によって、参加者に「何故、地方分権を進めた方が良いか?」の問いかけから始まり、問題点、疑問点を提起してもらうやり方で始まった。発言者①今までの中央集権型が以前と続いていて地方を重視していない。又、オリンピック誘致は東京一極ではなく、むしろ、被災地でやるべき。発言者②地方にまかせてしまうと生活水準、教育水準に格差が生じる危険性がある。③人口を束ねたやり方を提案。ガバナンスの比重を考えるということ。④明治以来の中央集権型がいまだに続いている。欧米に追い付いた現時点では、それを修正する時にきている。藩による地方自治の経験を生かすべき。⑤地方自治に任せた場合の危険性として、組長の権力が強すぎる故に、組長の質が重要となる。
 以上の問題提起に照らし合わせながら話は進められた。社会福祉事業を例に挙げて、中央政府が目的を特定して予算を決定し、地方に交付し、地方自治体が実施する。そうではなくて、地方自治体に自由裁量権を与え、目的を特定しない一般交付金の拡大を図るべきではないか。地方自治体にまかせる。それは地方自治体と地方住民の距離を短くし、社会福祉事業の効果とそのための財源を住民が理解するようになる。本当の地方分権は住民が自らの問題として理解する土壌を産むことである。ノルウェーと比較して財政面では日本の方が数字的に強力(歳入が大きい)であるが、中央政府が目的を指示しているため、実体は中央が地方を縛ってきている。そこには、的外れがあるのでは。何のために地方分権をやろうとしているのか、地方分権の定義をしっかり把握すること。中央政府と地方政府の権力争いになってはいないか。問題は、国民が本当に日本の行政に参加するかどうか、民主主義が育つかどうかということ。民主主義の運営の仕方として、日本は、強い者には巻かれろ、とか、雲の上の人とかいう表現があるが、北欧にはそもそも封建制度が存在していない。政治は自分の物だという教育がなされている。中、高校での政治の勉強会の例。地方の行政の透明度を高めるためのオンブズマン制度の存在。日本のオンブズマンは国が認めていないもので苦情は提供するが、訴えは出来ない状態。いわば、私的に作ったようなもので住民が作って認められた組織ではない。本当のオンブズマンは裁判所みたいな機能を果たすものである。要は本当の地方分権は自由裁量権を持ち、住民が参加して政治意識を高め、地方自治の活性化につながるべきものである。夕張市や北欧の例を挙げながらのわかりやすい講話であった。

 

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