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2013年9月1日日曜日

輪王寺仏教文化講座に参加 Buddhism culture talk

8月31日(土)
 
 

 天台寺名誉住職・禅光坊御住職 瀬戸内寂聴さんと天台宗米国ハワイ開教総長、荒 了寛大僧正が日光に。

 日光総合会館が人の波で大洪水と化しているのを見てびっくり仰天した。12時開場ということだったので講師の有名度、人気度を考慮して11時半頃に行ってみると既に1000名分の整理券も終わっていた。炎天下を整理券を持った人達が外で列をなして待っている。その上に、フォアイエで聴くだけを覚悟の上ならということで幸か不幸か、私達が先頭になっての新しい列が出来ていく。幸いに友人に巡り合えたお蔭でおしゃべりをしながらの小一時間の待機はそんなに苦ではなかった。

 
会場の扉が開くと、整理券の順番に人が誘導されて入っていく。ホールでの立ち見もOKされず、結局ロビー、フォアイエで床に腰を下ろして拝聴することになった。現場にいながら、生の姿も見れず、生の声も直接には聴けず、ただ、ドアの向こうでの講話をスピーカーを通して様子を想像しながら聴くという一見間抜けな姿に夫、友人夫妻共々身を委ねる結果になった。

 ただ、炎天下で待っていた時、黒塗りの車が入ってきて、今回の講話者の生の姿をチラリと見ることが出来た。咄嗟のことで、カメラワークが間に合わず、車から降りられて別の入口から中に入り歩いて行かれるところをガラス越しに撮ったので映像としては失
敗。ただ、私だけがわかるものになってしまった。中での撮影は勿論出来なく、結局講話が終り、皆が出て行くところを最後の方で撮るだけに終わってしまった。とにかく人の熱気で圧倒された講話会であった。
 

 今回の講師は今世間を再び風靡している瀬戸内寂聴さん(91歳!)。彼女のデビュー作「夏の終わり」が再度映画化されたことからテレビでも頻繁に登場され、先日も寂聴さんのお話をNHK番組で聞いたばかり。以前、源氏物語の現代語訳全十巻を購入して読んだ時、ただの女流小説家の域を出ていることを知っていたので、今回は生で拝見できる絶好の機会だと楽しみにしていたのだが・・・今回の演題「幸せになるために」も内容は解っていたので講話自体は新鮮味は余り無かったが、会場からの一つの質問に素直に答えられたのが衝撃的であった。昔幼子のままで置いていった娘さん(今やアラセブン)夫婦の誘いを受けて小澤征爾さんの長野でのコンサートに最近行ってきたお話。6時間ぶっ続けで娘さんの話を頭を下げて聞かれた由。淡々とした語り口は過去の苦しみを乗り越えた明るささえ感じ取れて、爽やかな印象を受けた。

 
 
 もう一つの講話は「日系人と戦争」という演題で、天台宗米国ハワイ開教総長、荒 了寛大僧正(85歳)によるもので、40年間、ハワイで苦労して開教された経験を語られた。その中で日系人のハワイにおける存在価値がいかに大きいかを強調され、日系人が今のハワイを創り上げたとまで言われた。それが日系人も4世、5世の時代になると、その辺の価値も理解しなくなっていることに危機感を抱き、日本語を保存する意味でも、日系人の功績を薬師観世音菩薩を信じながら日本語で書物を書き続けておられる由。ハワイに渡った当初、困難の中で輪王寺から託された薬師観世音菩薩像を大事に信じ続けた結果、ハワイでの天台宗開教が出来たという。信じることによりご利益があるという実体験談であった。
 いづれもご高齢な方の講話であったが、こんなに大勢の人を引き付け、影響力がある人生を築かれたことに敬服。それこそ、自分を超えた幸せがそこにあるのではないだろうか。
 

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