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2014年5月26日月曜日

第32回日光清風塾講話会「中国の海洋進出と覇権」 The 32nd lecture-talk by the head of Seifu Juku

32回 525
「中国の海洋進出と覇権」 

まず、南シナ海の地理的、歴史的背景をプロジェクターからの地図を見ながら説明。この地域は第二次大戦の後遺症が残っている所という説明に驚いた。例によってこの問題に日本はどのように対処すべきかの意見を参加者から出して貰い、白板にリストアップ。
その上で、このテーマの背景の説明がなされた。

何故中国は海洋進出を始めるようになったか。
  1964年毛沢東の時代、海の方も安全方向を考えるべきという考えが出た。国家海洋局の設立(日本の海上保安庁に相当)当時の中国経済成長率は2%程度。日本は10%以上。
  1980年代 鄧小平の時代、経済の近代化「近海防衛」海軍を整備。
  1992年 米ソ冷戦終結→ロシアとの国境警備に力を入れる必要が無くなった。こ時代は日本の高度成長はバブル崩壊で下降、中国は上昇。
   中国の経済は貿易で成長。その90%は太平洋地域から。その為、中国の発展のために   海洋の安全確保が重要になっていった。中国の国家目標は経済発展。1990年代以    降、経済発展のために軍事力、特に海軍力が強化された。エネルギーの確保。

1967年国連が尖閣諸島近海の石油埋蔵量がイラク並と発表したことから、当時の蒋介石がこの地域は中国の領土と主張。南シナ海の石油争奪戦が始まる。アメリカの力が落ちて来ていることが中国の勢いに拍車をかけている。この領土問題で、2010年、当時の米国務長官ヒラリー・クリントン氏の航行の自由はアメリカにとって国益になるという主張と中国の核心的利益という主張との対決が表面化。

中国はそれほど超大国のアメリカに対抗する地域になってきている。中国の対抗相手は日本ではなく、アメリカである。日本は東南アジア諸国と一緒になって中国に対決する構造にはならないだろう。中国にとっては米中関係が日中関係より重要であり、硬軟両様で対抗している。日本としても硬軟両様でケンカしない方法を取ること。その為には①軍事衝突をおこさない。情報交換をすること。②10年後の中国は最強の国になるだろう。地域的合意をつくり、戦争をやらない仕組みをつくること、対話の継続が大切。日本は軽視されない軍事力を持つ努力は大事であろう。

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