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2014年8月4日月曜日

日光清風塾 第34回講話会 The 34th lecture talk by the head of Nikko Seifujuku

8月3日(日)

35度前後の猛暑の中、予定通り第34回目となる日光清風塾塾長による月例講話会が開催された。今回のテーマは『中国の若者達と日本文化』

今回のテーマをとりあげた二つの理由。①塾長が南京メディア大学から教授として招聘され、1年契約で当大学で教鞭をとることになっていること。(因みに今回は3回目)②文藝春秋8月号が中国に関する記事を沢山掲載していること。

そこで、①の機会を得たことから中国をより理解し、知るために中国についての質問を出して欲しいということで、講演後に要望(宿題)が出された。

②に関して、今、書店でのベストセラーの内、4,5冊は中国に関する本で、多くは批判めいたものであるが、この現象自体、日中関係にとって危ういこと。その中で日本をもっと知ろうという角度から出版された「知日」という、今中国でも脚光を浴びている雑誌と、前駐中国大使だった丹羽氏著の「中国の大問題」という本が紹介された。

「知日」は日本在住20年にはなる毛丹青(マオタンチン)氏が今の日中関係の危機をチャンスととらえて市場原理を唱えて発刊したもの。つまり、反日暴動に対して疑問視し、暴動派が大きくなるとその反対派も大きくなるという考え方。もっと日本を知るべきであり、日本をもっと知ろうと言う人達の為にという思いがこの本を書くきっかけになった。政治は抜きで、日本人の生活、習慣、考え方、文化を焦点に日本にいる中国人による特集本である。例えば、日本の制服、妖怪、コスプレ、漫画、森ガールなど現代の大衆文化から茶道、華道、和食など伝統的文化を調査研究したもの。若者の日本への関心は大きい。

「中国の大問題」では中国は問題が多いとして、もっと日本人が中国を理解する必要があることを説いている。更に、今の首席の強行政策を分析。これには二つあり、国内の権力基盤が不安定という共通要素の上にあって、ナショナリズムに訴えて強硬路線を敷いていることと、内部権力闘争
があるということ。日本側がより賢い対応策をとることが中国側の安定につながるだろう。

「知日」は文化、旅行の雑誌として発展。反日という動きが無かったらここまで発展することはなかったろう。1980年代の良き日中関係の時代にはこういう雑誌は無かった。文化の違いの発見から感謝の美徳や、衛生観念を知り、日本に来て感動したというツイットが沢山ある。毛丹青氏は本人も経験から実感しているが日本文化をもっと知りたいという若者が沢山いると明言している。日本人全体が交流をして日本を知って貰う働きかけが必要であり、日本も中国をもっと知ろうとすることが必要だろう。これが両国の安定と繁栄につながるものと思っているというのが今回の講話の結論。


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