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2015年11月16日月曜日

第45回日光清風塾塾長講話会「TPPと日本」10月25日

第45回日光清風塾塾長講話会「TPPと日本」10月25日

まず例によって参加者から意見、質問を提出してもらう。
    今回の合意はいい方向に行くと思う。消費者にとっては物価が低下する一方で国内の生産物が相対的に高騰する懸念があるが、国内生産物には付加価値をつけて品質の良いもの、高くても売れる工夫を。
    対中国との関係でアメリカの国益で動かされているのでは。政治関係では安保、経済関係でTPP
    税収問題。関税撤廃で税収が減る一方で、物が売れて消費税、法人税が増える。自由貿易推進。
    自由貿易により、財政的支援を必要とする産業(農業)への補助制度に予算が必要となり財政圧迫に。
    サービス関係(医療、保険)のメリット、デメリットが不明。

TPP参加国はカナダ、米国、メキシコ、ペルー、チリ―、ニュージーランド、オーストラリア、シンガポール、マレイシア、ベトナム、ブルネイ、日本  太平洋地域の比較的経済の進んだ国々で、タイ、インドネシア、フィリピン、は参加出来ない。中国も。Why ? 合意内容のレベルが高すぎて入りたくても入れない。関税だけの問題ではない。
TPPEUに近づこうとしてやった合意。内容は日本を特別扱いしている。これは日本外交が手強い証拠。日本の産業(農業)を守るために相当頑張った証である。日本の産品に対しては関税をかけないのに日本に入る産品にはまだ関税をかける。日本以外の国はほぼ100%撤廃。(EUは完全に撤廃)なのに、日本の場合は輸入税の95(平均値)を撤廃するという合意。農産品はまだ19%の関税をかけるという特別扱い。しかし、国内ではまだ米作関税の維持という議論が続く可能性有り。アメリカとオーストラリアには特別措置として両国で7万トンは関税をかけない。(国内の消費量780万トンを考えれば大したことない)
TPP合意は二つのポイントに結集される。①交渉は良く頑張った。②農業は81%しか撤廃せず、特別扱いされている。日本のコメ→アメリカに関税無しで輸出出来る。価値の高い農産物を輸出できる環境に。農業者は外国に売れる農産品を作るチャンスがある。美味しいお米、高品質のりんご、質の高い所で競争。農産物に対して関税をかけているのは日本だけ。
サービス関係はどうか。資金面の自由化が大きく進む。資本規制がなくなってEU並に。12か国の間でコンビニ、銀行、保険が広まるだろう。①国有企業、民間企業が無差別になり、平等に入札競争が出来る。②政府調達の自由化(マレイシア、ベトナム、ブルネイは合意。中国は4割が国営で自由競争不可能)③知的財産、著作権については12か国の間では保護されることが合意された。日本のソフト産業にとってはプラス。中国は殆ど保護されていないのでTPPに参加出来る状態ではない。
一方で農産品が自由に入ってくると食の安全が心配になるが、輸入する側で食の安全を保障する制度がしっかり出来ればOK。国によって安全基準は異なる。新薬のケース。日本は皆保険故に国の責任となることから慎重になる。
総括すると、12か国にとってメリットの方が大きい。12か国の経済力は40%(EU30%)となり、EUより大きな市場が出来る。TPPは世界経済が向かうべき方向を示したと言える。しかし、中国無しの経済圏は意味が無い。(榊原氏)中国が入りたいと言うのなら、入れるべき。ただ、現段階では、TPPのハードルは高すぎる。
東アジア地域包括的経済連携RCEPに注目。RCEPRegeonal Conventional Economic Partnership)
実質的には中国と日本が中心。日本の立場から言うと中国を意識した経済的動きになっているが、日本はかなり良い立場にいる。日本はTPPRCEPの両方に入っている。RCEPはアメリカの入らない地域協定。TPPよりレベルが低いだろうが貿易がし易い合意をしようとしている。
中国案=ASEAN+3  日本案=ASEAN+6 中国の影響を減らす動き。中国が日本案に載ってきた理由=アメリカが入っていないことが決め手。


これからこの二つの経済圏に注目。

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